”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”アバウト・ア・ボーイ”(02年)

原作はニック・ホーンビイが98年に書いた”About a Boy”だが舞台、背景、配役は全部イギリス人で固められているのに映画化に際してはアメリカンがメガフォンを取っている。もしこれがリチャード・カーチス一家が仕上げていたらもっと深みがあってイギリスらしいウィットが効いた魅力ある作品になっていたんじゃなかろうか?

 

 

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ロンドン市内に住む、ウィル(ヒュー・グラント)は38歳で独身生活をエンジョイしている。死んだ父親が作曲した曲の印税が入る事から定職には就いた事はなく慈善事業の団体を手伝ったりするだけで悠々自適な生活振りだ。

そんな彼が”一夜限り”の相手を見つけるのには最適だと判断して出向いたのはシングル・ペアレントの会合でシングル・マザーと知り合おうと言う魂胆だ。ヒュー・グラントはこんな役柄は実に上手い、アメリカだと口八丁手八丁の俳優が重宝がられるが何処となく頼りない風情で女性の母性本能を狙い撃ちする手管は絶品だ。

そんなウィルが出会うのが情緒不安定な生活を送るママ、フィオナ(トニ・コレット)と暮らすこれ又、ちょっと周りを見れてない10歳の一人息子、マーカスだ。結局ママは抜きでこのマーカスとの絡みがこの映画の主題になっていって終盤はマーカスが苛めに合っている事や音楽に目覚める事やらに発展し、クラスメートで友人のママがシングル・マザーでレイチェル(レイチェル・ワイズ)と言ってそっちが本命になって来ると言うお話でした。

ウィルの生き方に賛同は出来ないもののこれが違う監督だったらもうちょっと見ている側も納得出来る終わり方が出来たんじゃないだろうか?同じハッピーエンディングではあっても微妙に印象が違ってました、、。アメリカが舞台で別の俳優さんを使い同じような設定だとサンドラ・ブロックが素晴らしかった”しあわせの隠れ場所”に落ち着くんだが、、ああそうなると子供が主役か?