”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ファーザー”(20年)

これはチョイと読み逃せない。一昨日だったかに投稿されていた新聞記事の一部なんだがフロリアン・ゼレール監督がインタビューに応えてこんな事を、、;

映画化に当たり、認知症の父親役として頭に唯一浮かんだ顏がアンソニー・ホプキンズだった。”存命する俳優の中で最も素晴らしい役者だ。老いを表現するのは勇気のいる事だが、彼ならすごい演技をすると確信していた”と書かれている。

そしてご自身はフランス人なので”フランスで作った方が簡単だったがアンソニーと一緒に仕事をしたかったので英国を舞台に英語で撮る事にした”。更には脚本では主人公の名前、生年月日をホプキンズ自身と同じ設定に共同執筆者と共に俳優にあてて書き直したとまで書かれている。

その監督の意図するものは”アンソニーさんなりの老いや死に対する恐怖をそのまま出して欲しかった。それによって作品自体が何か真実に迫るインパクトのある力強いものになると信じたからだ”。そうなるとこれはもう俳優さん本人の考え方や内面を映画制作に売り渡しているんじゃないのか?と感じたほどだ。

そして次には、、”ホプキンズ圧巻の演技は、子供のように母親を求めて泣く最後のシーンと断言する。現場のスタッフもみな泣いていた”。監督の思惑通り、ホプキンズは”あるがままの姿、自分のもろさを、カメラの前にさらけ出していた”。撮影しながら思わず”奇跡のような瞬間だ”と感じ”圧倒されるものを見せてくれた”。

本作では観客自身が、主人公の脳裏に入り込んだような感覚で、認知症による記憶の喪失と時間の混乱を追体験することになる。この作品はその効果を狙って設計されている。観客は迷路のような場所に置かれて、方向感覚を失った感じになり、即ちストーリーの一部をして能動的に参加する映画にしたかった、、と締めくくっている。

 

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これが掲載されていたインタビューの一部なんだが映画は”ファーザー”、(”The Father") そして今年のアカデミー賞では見事に主演男優賞と脚本賞を受賞している。

監督にこんな事を言われたらそりゃもう見に行かないと、、と早速検索したらどうやら札幌でも映画館での公開が予定されているらしい。ところが例の”感染防止法”が適応され映画館は人数制限に、どうやら観客数は半分に抑えての上映らしい、。まあしかしそれ以前に”不要不急の外出はお控え下さい”、とか”用事があっても感染防止策を取らない限り出掛けるな”とTVを点けりゃ否応なしに画面に表示されている。

さてこの映画観戦は”不要不急”なのか、、観戦に行って感染したんじゃ笑い話にもならん、。っであと一押しのボタンに指が伸びてそのままフリーズしているのだ。でもふざけるな絶対に見に行ってやる、、と心には誓っている。