”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”イヤー・オブ・ザ・ドラゴン”(85年)

これは公開当時かなり衝撃的なバイオレンス犯罪映画として紹介されていた。監督が”デアー・ハンター”のマイケル・チミノオリバー・ストーンが脚本を書いている。そして主演がミッキー・ロークでチャイニーズの若き暗黒街のボスに抜擢されたのがジョン・ローンだった。

背景はニューヨークの暗黒街、チャイナタウンで麻薬組織のチャイニーズマフィア連中の縄張り争いがメインだ。スタンリー刑事は(M・ローク)ベトナム帰りの刑事で所轄へ異動になり麻薬取り締まりに取り掛かる。同時にチャイナタウンでは若きジョーイ・タイ(J・ローン)がメキメキと頭角を現し、古きロートルボス達から力ずくで縄張りを奪い勢力を拡大している。

所轄の上層部はこの旧体制のボス連中とそれなりに手を組み双方に都合の良い関係を築いていたのだがこのジョーイの登場で組織の古手から苦情が出始める。それに輪をかけて警察署内でもこの若きボスの存在が邪魔になって来る。其処へなれ合いを見過ごせない熱血漢刑事、スタンリーがやって来たので双方の関係に徐々に亀裂が生じて来る。

 

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もう一人重要な役柄でトレーシー(アリアンヌ)と言う中国系のTVレポーターが登場して来る。スタンリーは彼女のレポーターとしての顔を利用してチャイナタウンで起きている騒動を取材し古きオヤブン達と若い新興ボスを共倒れにさせようと企むのだがなかなか思い通りに事が進まない。

 

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公開当時もかなりヒットしたがニューヨークに置けるチャイニーズ社会を差別的に扱っていると社会問題に発展した記憶がある。まあ同様に映画で日系社会の対立が描かれると(”ライジング・サン”など)今度は日系社会から猛烈な抗議が来る。ぶっちゃけ誰がどんな相手を悪者に仕立て上げても何処かから必ず文句が出て来るってのはこの映画が公開されてから30年以上が経過しても変わっていないのだ。

そんな外野からの声は別にしてこの映画でミッキー・ローク、それにジョン・ローン(”ラスト・エンペラー”)の二人はスターダムのトップへ登って行った。

大好きな映画とは言えないがこの年代に公開された映画の中では異色の作品、しかもかなり輝いていたのは間違いない。惜しむらくは邦題がカタカナ表記って事か、?”ドラゴン危機一発”じゃダメだしそのまま”辰年”ってのはもっとツマンネー、、”ドラゴン”はカタカナだとしてもっと内容にマッチした衝撃的な邦題はなかったんだろうか?