”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

たかが映画されど忘れがたき傑作達よ、、その影響に感謝、、その3

映画鑑賞歴も50年近くになるとその節目、節目で色々な名作、秀作、忘れがたき映画に出会っている事に気付かされる。誰にでもある事だが、記憶が曖昧になっている幼年期に見たものでは画像に対する免疫もないのでそのストーリーと配役だけに酔ってしまい途方もない秀作だと思っていても後年見るとその印象は大分違うケースもある。又、評論家諸氏が絶賛するものが我々一般人受けするかと言うとこれが又、かなりの温度差がある事を思い知らされる。

やはり10~20代で見たものは本数も多く影響力も強いしその後の人生に少なからず影響を及ぼすものがあるように思う。しかし年月を重ねるごとに趣味や嗜好が変わるが如く単純に画面にのめり込んでエンジョイする事から浮遊してしまい近年は全てを斜めに見るような感覚が芽生えてしまっている。

典型的なものでは今でも22作目製作中と続く007シリーズ。最初の“Dr No”は62年度だからかれこれ45年も前の事だ。リアルタイムで見た印象は確かにそれまでの映画とは違う感覚、テンポが速く音楽や出だしのタイトルには惹かれたが所詮B級、、しかしジェームス・ボンドの個性にはすっかり魅せられてしまい、ああやって世界各国を飛び回り各地のホテルを泊まり歩きたいなどと思い返せばその後に人生に多大な影響を及ぼしてくれた。その後のシリーズ化は最初に興行的に成功したから、、と言うよりやはり007=ショーン・コネリーの個性を映像に望む声が大きかったからだと記憶している。今、見ればその仕掛けやスケールもチャチなものだし特に日本を舞台にした“007は二度死ぬ”などは我々が赤面するような日本描写もあり前評判が大きかった反面、ガッカリ度も大きかったものである。

この62年から71年の“ダイヤモンドは永遠に”までの9年で合計6本が制作されていてこれはまさに我が青春時代に合致するのである。学生生活→留学→寮生活→ひとり住まい→バイト生活→そして就職、とこの10年はショーン・コネリーと供に歩んだと言っても過言ではない。

同時期やはり影響を受けた映画があるのだがそれは“40 ポンドのトラブル”と言ってかのトニー・カーチス主演のコメディタッチで監督はノーマン・ジェイソンである。