”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”007カジノ・ロワイヤル”(06年)

原作は無論、イアン・フレミングが書いたものだがこれが一番最初に書き下ろされた作品で原題のタイトルは”You Asked For It"だった。53年に始めて刊行されジェームズ・ボンドの原点になっているのだが映画化は”ドクター・ノオ”が先で63年に公開されている、、公開当初の邦題は”007は殺しの番号”となっていた。

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06年にピアース・ブロスナンの後釜として新たにダニエル・クレイグをボンド役に迎えて制作されリブートと言うかハイオクタン化された長寿シリーズ。これは最高傑作として評価が一番高いのだがストーリーは原作とは微妙に違う。ル・シーフルやヴェスパー・リンドなどの登場人物は同名だが原作では敵の本陣は英ソ対立中の最中、ソ連側のスメルシュだった。ル・シーフルが自分で使い込んだ組織の資金、その穴埋めをする為にカジノで大勝負、それを聞きつけたイギリス情報部がジェームズ・ボンドをカジノへ送り込み敵の資金源を断とうとする内容だった。

それがダニエル・ボンドのデビュー作ではもっと内容が複雑になりル・シーフル(マッツ・ミケルセン)が世界のテロ組織から資金を預かり運用し、ハイリスク・ハイリターンを実践する”銀行家”に変身している。マイアミ空港に於ける新機種お披露目の会場で大型航空機を爆破し株の暴落により莫大な資金を稼ごう、、と言うお話になっている。ボンドの大活躍でその爆破を阻止されアタマに来た、ル・シーフルが今度はカジノ大会を開き一気に損した金を挽回しようとするがそこへ情報部から潤沢な資金を提供され乗り込むのが007と言う訳だ。そしてその資金のお目付け役がヴェスパー(エヴァ・グリーン)である。

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それにプラス、仲間の裏切りやヴェスパーとの本格的なロマンス、、そして折角カジノで勝った大金が消えた謎から衝撃のクライマックスが迫るヴェニスまで全く息をつかせない展開に、ロジャー・ムーア時代の荒唐無稽さは完全に鳴りを潜めかなり緊迫した現実味溢れるスパイ映画に仕上がっているのだ。

何で又、007かと言うと一昨日からFOXでもう何度目になるのやら”007祭り”を開催しているのだ。一番最初の”ドクター・ノオ”から”スペクター”までの24本、それにデイビット・ニーブンが007を演じた古い”カジノ・ロワイヤル”それに一旦007役を辞めたショーン・コネリーを呼んで無理やり制作した”アメリカ版”、007の”ネバーセイ・ネバーアゲイン”(83年)(”サンダーボール作戦”のリメイク)まで途中15分のCMが入るだけで24時間連続放映しているのだ、、。もうテレビのスイッチをいれるとショーン・コネリーだったりジョージ・レーゼンビーだったりロジャー・ムーアティモシー・ダルトンからピアース・ブロスナンダニエル・クレイグまで誰かが出ている状態だ。

流石にもう全編は見ないよ、、、とは思ったものの気がつくと又見ている、。全くこのジジイは進歩がない。初日は結局ショーン・コネリー版を最初の3本を見て翌日はロジャー・ムーア版、、それにダニエル・クレイグ版と合計4本も見てしまった。

其処まで繰り返して見て始めて納得した訳じゃないのだがこの06年度版の”カジノ・ロワイヤル”がシリーズ24作品の中でやはり一番良く出来ているのだ。半世紀が経過してもショーン・コネリーの”ロシアより愛を込めて”、は二位につけてくるがプロットの良さ、原作より映画化で手直しされた方が断然面白いし緊迫感もありダニエル・クレイグだって11歳も若いしアクションのキレも抜群だ。でももう今夜は見ないぞ、、。

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