”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ロッキー・スタローン・バルボア”

この映画は2006年に封切られてからずっと見てはいけない映画としてこれまで見ないでいた、、。その理由は秀作とも言える最初の“ロッキー”そして続く2と3、ここまではスタローン監督も彼の脚本も冴えていたし見逃せない映画として魅力満点であった。イメージ 1
 
おさらいをすると;
”ロッキー“(76年)は前座試合で小遣い稼ぎをする無名選手がひょんなきっかけでヘビー級のチャンピオンの挑発を受けて立つ。愛するエイドリアンと一緒になるが彼女は怪我が心配で試合には出て欲しくない、、もう準備の時間が余りないって言う間際に病床の彼女がやっと試合に出る事を承諾、やるなら”勝ってね、“と呟かれ元気百倍のロッキーは過酷なトレーニングの末にリングへ登る、、。
 
“ロッキー2”(79年)はその続編、僅差での勝利だったのでチャンピオンのアポロは全く不服、今度こそは誰の目にも明らかにKOで決着をとロッキーにリターンマッチを挑む、チャンピオンの意地で素人ボクサーをコテンパンにと目論むのだが、、。
 
“ロッキー3”(82年)では長らく無敵を誇ったロッキーがハングリーなMr Tにやられどん底へ、そこへアポロが今度はロッキーのトレーナーとして登場、そして二人で力を合わせて宿敵を倒す為に厳しいトレーニングを再開、、見事にこの無敵だった敵を倒す。
 
“ロッキー4”(85年)は更にロシアン挑戦者との対決。もう国と国の対決に発展、試合は熾烈でロシアで行われた試合でも圧倒的にロッキーは不利、ところが余りにも試合運びが汚い挑戦者、相対するロッキーはクリーンなファイター、そしていつか観客もロッキーの応援に変わって行く、、。
 
“ロッキー5”(90年)あれだけ試合に勝って大金を稼いでいたはずのロッキーが無一文に、そして一人息子との葛藤、ボクシング界からは追放されジムで選手を育てる側に、、そこで育てている選手を別のプロモーターが横取り、あろう事かその育てた選手との対決へと発展して行く、、。
 
イメージ 2
 
イメージ 3 ← は最初の”ロッキー”
→ がこの”6”のポスター
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ロッキー6”、、、これが“ロッキー・バルボア”で06年に上映されて以来これまで見ては行けない映画としていたものである。
オスカーを受賞した“1”からもう30年になる、、見たくない理由の筆頭が折角の秀作だったイメージが壊れる事、続編になるほど質が下がる、で76年に演じた時だってもう遅咲きだったスタローンが又、リングへ登る、還暦を過ぎてからのボクサー役ってのは不自然じゃなかろうか、そんな理由で見ない事にしていたのだが、、まあそれとスタローンと近い世代のモノとしてはどうしても自分の無様な姿をダブらせてしまう、。
 
お話は亡き最愛の奥さんの名前をそのままに“エイドリアン”と言うレストランを経営するロッキー、毎晩彼お目当てのお客さんの接待に忙しい、テーブルを回っちゃ過去の栄光、試合運びを話して聞かせる。ある日、TVのスポーツ専門チャンネルで仮に全盛期のロッキーと現在王座に着いているチャンピンが戦ったらどうなる、、と言う番組を放映していて最新技術を駆使したコンピューターグラフィックで二人を戦わせる事になる。それが何とコンピューター対決ではロッキーに軍配が、幾ら仮の試合だとしてもそりゃ現チャンピオンは面白くない。しかし相手はもうとっくに現役を引退したポンコツ爺、正式な試合は認可もされずそれじゃとばかりラスベガスでエキジビジョンをやる事になる。
 
30年を経過して原点に戻ったような作りだが相変わらず憎まれ口を叩く義兄も健在、疎遠だった息子もセコンドとして戻って来る、エイドリアンに代わりロッキーがほんわか好意を寄せるレストランのマネージャーもいてさて過酷なトレーニングの再開だ。
 
スタローンの脚本もそつがなくストーリーも贅肉をそぎ落としたような映画。彼のアップは極力抑え回想場面をモノトーンにしたり試合も派手な場面はフィルターを使ったりとそりゃ苦労の連続だが映画の出来は上々だ。彼の個性に照準を絞ったのも良かったし最後もまあそれっきゃないだろう、、、みたいな終わり方でこりゃもっと早くに見ても良かったというのが本音でした。