”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

徹夜で読書

本屋の戸棚に立っていたら”多分”手にも取らなかっただろう、、第一タイトルからして”最悪”じゃあな~、、気分が滅入るし、。一昨日読み終わった翻訳モノが何時もは堪能出来る作者なのにナンか物足りない、そこで口直しと言うか読み直しにとダンボールから無作為に取り出したのがこれである、。
 
ダメならやめりゃ良い、と読み出したのが10時頃、そして気が付いたらもう3時過ぎ、、600ページ以上ある文庫本なので流石に一晩では読み切れずキリの良いところで、、と思いつつ半分読んでしまった。そして昨晩は遂に夜中から読み始めて結局明け方まで、、もう5時で外は明るい。そうだ外灯の点灯時間の設定を変えないと、、、。
 
イメージ 1ストーリーは実直で勤勉な下町の鉄工所主、自己主張が苦手な銀行勤めの若い女性、そして親にも見離された若くして自堕落な兄ちゃん、、。一章ごとに彼等の直面する事件と環境が明らかになって行く。
 
鉄工所のおっさんは下請けの下請け工場、毎日朝から忙しい、しかも発注側の言いなりなので夜も遅くまで残業の連続、そんな最中に工場前に建つマンションの住人から騒音苦情で対策を求められる。
 
銀行員のOLは毎日他人のお金勘定、規律も厳しく男子行員は出世の為に他人を平気で蹴落とす環境に馴染めない。あろうことか嫌で参加した恒例の銀行主催のキャンプ研修で支店長からセクハラを、、。
 
自堕落な兄ちゃんは毎日パチンコ三昧、、その合間に小遣い稼ぎにカツアゲはやるはこそ泥はやるわ、全く善悪の区別がなってない。ある日パチンコ屋で知り合った”同業者”とつるんで町工場にトルエンを盗みに入る、そこからホンモノのヤクザに追われる展開となる。
 
そんなで何時彼等の接点が明らかになるのか、、と思いながら読み進んだのが初日、半分以上進んでもまだ接点は出て来ないし三者のストーリーは平行線、それが半分を過ぎて二日目の深夜頃、凄い展開になって来る。こりゃ絶対に映画化出来るぜ、、。沢田研二がこの兄ちゃんに扮してドラマ化されたらしいが出来は散々だったそうな、、巻末に書いてあった。
 
この手法、一見何の接点もないおハナシが少しずつ近付いて来てやがて全貌が明らかになる、洋画では”バベル”や”トラフィック”他にもタランティーノ監督などが使うが日本の本として読むのは初めてだった。この作品は2000年発表だが作者の奥田英朗氏、02年にも”邪魔”を出版しているそうな、、10年遅れたがこれからそれも探してみよう、又、徹夜になるかな、、?映画に続き読書もすっかり国産品に偏って来たようだ。