”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

映画x野球、、、が好きとなると

アメリカではスポーツファンのなかでも断然フットボールが野球を上回るらしいがこと映画化となるとダントツで野球を主題にしたモノが多い。古くはゲイリー・クーパーが演じたルー・ゲーリックジョン・グッドマンが演じたベーブ・ルースなどとその歴史も古い。
 
一般的には歴代の選手を演じた伝記モノが主流だが昨晩改めて見たケヴィン・コスナーの”ラブ・オブ・ザ・ゲーム”はチーム名や対戦相手は実物だが出て来る選手や監督、コーチは全部架空の人物で主役の投手、ビリーチャペルをあたかも実在の選手だったように上手に描いている。
 
プロ野球の選手を演じるのはこの人っきゃいないと言うケヴィン・コスナー、映画は99年制作なので彼が44歳くらいの頃だ。映画はリアルタイムで進むまさに手に汗を握る展開の対ヤンキース戦、シーズンも終わりに近く40歳を迎えたチャペルは華々しい成績を残してこれで引退かと噂されるなかでの先発。野球の試合と同時に彼の頭をよぎるのは過去の出来事、そしてこの5年間付き合っていたジェーン(ケリー・プレストン)からもサヨナラを言われ失意のなかでの登板である。
 
回を追うごとに彼の投球術が冴える、何と7回までパーフェクト・ゲームだ、8回の登板中右腕に異変を感じるがそれでも最後まで頑張り抜く決意、そして観客席にいる球団新オーナーのゲリーにサインしたボールを届けて貰う。其処に書かれた言葉が”For Love Of The Game”なのである。端的には”愛する試合のために”なのだがこれには彼の決意が込められている。ナンで邦題の担当者、そのまんまカタカナ表記にするんだ、、、これじゃ固有名詞になってしまい折角の彼のメッセージが伝わらんじゃないか、、この映画は国内公開時、このタイトルのせいで大ヒットしなかったんではなかろうか、、。彼の気持ちは”これだけ野球を愛するがゆえ、今夜は全身全霊をかけて投げ抜きます。従って来期はもう投げられないでしょう、、、”と言う新任オーナーに契約更改は無理ですと言う決別の意味を込めた切ない気持ちが詰まっているのだ。
 
結局彼は誰もが夢に見る投手の大勲章をしかもヤンキースを相手に、パーフェクト・ゲームを成し遂げる。選手生活の終盤に来て揺れ動く彼の心理状態、それに新しい恋人、ジェーンの出現、将来のこと、、19年間一緒にプレイした仲間達、、、そんな事が彼を満たしていく。
 
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ケヴィン・コスナーはマウンドで投げる場面もスタントなしでプロのコーチについて特訓を受けたそうな、、ちゃんとその投球フォームもさまになっている。これ以外には”フィールド・オブ・ドリームス”と言う秀作もあるし”ママが泣いた日”と言うこれまたヘンテコな邦題の映画ではジョーン・アレンのお隣さんとして引退したプロ野球選手を演じている、その時のポスターがちらりと映るのだがそれが何とこの時のデトロイト・タイガース選手としてだ、、って言う事はビリー・チャペルかぁ?でもこの映画では名前がデニーになっていたっけ、。
 
そんなで映画が好きで野球が好きなおっさんには一石二鳥の楽しみ方が出来ました。
 
 
 
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これも又、素晴らしい映画だった、、此方は実在の人物、ジム・モーリスを描いたのだが何と邦題が”オールド・ルーキー”、これを考えた担当者には座布団を10枚進呈したい!
 
”ルーキー”とはその通り新人、新参者、、なのだがそれを和製英語にして”オールド”を付けちまった。アメリカでもこの意外な表記が大変に受けた。言わんとする意味が良く判ると言うのである。要するにぽっと出の新人じゃなくてはからずも諸事情で若い時にデビューが出来ずかなり下積みを経験してからやっとこさデビュー、そんな”古いルーキー”なのである。
 
その実在したジム・モーリスを演じたのはデニス・クエイド、その彼を助ける奥さんにレイチェル・グリフィス、、これは実話だけに感動モノの”スポ根”映画だ。
 
 
 
 
 
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92年に制作された”プリティー・リーグ”これも実話で時代は43年、戦争で優秀なプレーヤー不在のなかプロの女性リーグを立ち上げチーム戦を戦う映画である。
 
主演はチームの監督役にトム・ハンクス、主力バッター兼キャッチャーがジーナ・デイビス、更にマドンナも、、。
 
我々おっさん世代でもその存在を知らなかったアメリカ野球の世界、最初見た時はナンか違うかな、、と思ったもんだが戦中でもアメリカはこうやって女性だけの野球リーグを持って運営していたんだと気付くに至って何とまあ日本は、、相手国の事を何も知らずに戦争に走ったんではないだろうか、、と不思議な気持ちになった、。
 
邦題は”がんばれ、ベアーズ!”、それに続編も作られ今度は日本へ遠征、、更にはリメイクではビリー・ボブ・ソーントンがちびっ子野球チームの酔っ払い監督になったがオリジナルのウォルター・マッソーテイタム・オニールにはかなわなかった、、このあたりは番外編。
 
半世紀以上も昔のことだが、リトル・リーグに籍を置き野球少年をやっていた時代、それから社会人になってからも社内チームを編成し時間を見つけちゃ球場へ行っていた事が懐かしく思い出される、。その時のチーム名は”ゾロメーズ”、そう背番号が全員ぞろ目、、しかし弱いチームだった、、、ピッチャーも打たれっぱなしだったもんな、、甲子園に出そこなった後輩に4打席連続ホームランを食らった、、あれっきり自分でやる野球とは縁を切った!!
 
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これら映画以外にもキアヌ・リーブスが弱小チームの監督を演じた”ハード・ボール”や最近ブラッド・ピットが脚光を浴びている”マネー・ボール”がある。それにボストンを舞台に実在のレッド・ソックスの選手が沢山出て来る映画もあるし日本を舞台にしたトム・セレック高倉健さん主演の映画、”ミスター・ベースボール”(92年)なんてのもあったしずばりそのまま”メージャー・リーグ”のI(89年)とII(94年)もあったかな、、。