”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”東京物語” by 小津安二郎監督

イギリスの映画協会(British Film Institute)が定期的に刊行している雑誌の企画に”世界の映画監督たちが選んだベスト映画”と言う項目があって世界中の監督846人が応募している、そして見事その一位に選出された映画が”東京物語”である。ニュースではオリンピックに押されたのか余り大きい扱いではなかったがこれは金メダル並みの快挙ではないだろうか、、。
 
更に”評論家諸氏が選ぶベストテン”でも同作品が3位に入賞、此方も堂々の銅メダルです。評論家諸氏選出には総勢358人が参加しているそうだがこの企画自体は1952年から続いており10年毎にランキングを発表するとか、、当然ながら毎回順位も変動するらしいがこれまでには黒澤映画などもランキングされていたそうだ。
 
 
この”東京物語”制作は1953年、配役は笠智衆東山千栄子原節子杉村春子山村聡三宅邦子香川京子、、などなどそうそうたる顔ぶれで老夫婦が東京へ成人した子供たちに会いに上京すると言う端的な物語なのだが”日本人の心情”を描いて今もってこれを超える名作は作られていない、、。
 
我等団塊の世代にとってはまさにリアルタイム物語、最近では”三丁目の夕日”に代表されるこの時代だがモノクロ画面にしっとりと堅実に小津映画を描いて見せてくれる。残念ながらもう何十年も見る機会がないのだがこの時代、秀作、名作が沢山あった。外国映画にうつつを抜かす前にもっとこんな作品を見なくてはいかん、、それこそ有料配信でもしてくれないかな、、。しかしこうやって権威ある協会から唯一の日本映画としてトップに選ばれたと言うのは嬉しいじゃないですか。以下がその選出された映画のベストテンなのだが、、こうして見るとやはりクラシックばっかりだ、一番新しい映画でも70年代か、、。
 
「映画監督が選ぶベスト映画」トップ10は以下の通り。
1位:『東京物語』 小津安二郎監督
2位:『2001年宇宙の旅』 スタンリー・キューブリック監督
2位:『市民ケーン』 オーソン・ウェルズ監督
4位:『8 1/2』 フェデリコ・フェリーニ監督
5位:『タクシードライバー』 マーティン・スコセッシ監督
6位:『地獄の黙示録』 フランシス・フォード・コッポラ監督
7位:『ゴッドファーザー』 フランシス・フォード・コッポラ監督
7位:『めまい』 アルフレッド・ヒッチコック監督
9位:『鏡』 アンドレイ・タルコフスキー監督
10位:『自転車泥棒』 ヴィットリオ・デ・シーカ監督

「批評家が選ぶベスト映画」トップ10は以下の通り
1位:『めまい』 アルフレッド・ヒッチコック監督
2位:『市民ケーン』 オーソン・ウェルズ監督
3位:『東京物語』 小津安二郎監督
4位:『ゲームの規則』 ジャン・ルノワール監督
5位:『サンライズF・W・ムルナウ監督
6位:『2001年宇宙の旅』 スタンリー・キューブリック監督
7位:『捜索者』 ジョン・フォード監督
8位:『これがロシアだ』 ジガ・ヴェルトフ監督
9位:『裁かるゝジャンヌ』 カール・テオドール・ドライエル監督
10位:『8 1/2』 フェデリコ・フェリーニ監督