”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”Any Number Can Win” ??

普段日本で公開される洋画の邦題はナンとかならんか、、とか訳の判らんカタカナ表記ばっかりだし、、とか文句タラタラのおっさん世代なんだが、、現に今も”ダーク・ナイト”を公開中だ、これだってそりゃ映画ファンは知っているがそのままカタカナじゃ”ダーク(暗い)、ナイト(夜)”としか思いつかない、、ナイト=騎士でやっとナルホドとなるのだがこりゃ別に邦題だけの事ではなかった。
 
このアメリカで上映された時のタイトル、”Any Number Can Win”、、直訳すれば”どんな番号でも勝てる”となるのだがニュアンスとしては”負けはない”だろう。その映画とはフランス映画アンリ・ヴェルヌイユ監督の名作”地下室のメロディー”、フランス語の原題は”Melodie en sous-sal” で邦題は原題をそのまま直訳している。英語版タイトルだってナンでそのまま”Basement’s Melody”にしなかったのか、、??待てよ、英語でBasementと言うと微妙に雰囲気が違うな、、Downstairsもオカシイし、ロマンが感じられない、。それならいっそ原題を尊重して”Melody Below”、、、イヤこれもヘンだ、。恐らくそんなでアメリカの担当者も大分頭を絞ったんだろう、結局カジノの売上金強奪に掛けて”どんな番号が出ても勝てる”としたのではないだろうか。
 
映画の制作は63年、日本で始めて見た後、数年後アメリカの映画館でこのタイトルで封切られた、そんな事は全く知らずにてっきりアメリカ映画だと思って入ってビックリ、なんじゃいこりゃ”地下メロ”じゃん、。
 
主役はジャン・ギャバンアラン・ドロン、映画は元ギャングで5年のおつとめを終えて出所したジャンが妻の待つ自宅へ帰る場面から始まる。バックにはテンポ良く”地下室のメロディー”がかぶさる、、アップテンポのジャズ風のリズム、いかにも犯罪っぽいノリで映画の展開を期待させる。
 
シャルル(ジャン・ギャバン)の奥さんは自宅を売って気候の良い南仏にでも越してブティック・ホテルでも経営し堅気の生活を、と言い寄るのだがシャルルは”ざっけんじゃねーよ、そんなせこせこした生活で汗水垂らすのは御免だぜ、、”とばかり見向きもしない。これが最期の山だぜ、、とばかりカンヌのカジノ強奪計画を進める、、塀の向こうで知り合ったチンピラ、フランシス(アラン・ドロン)に声を掛け彼の義兄も引きずり込んで一世一代の大仕事へ向かう、、。アラン・ドロンのチンピラ風情の魅力、そして貫禄充分のジャン・ギャバンがガッチリ組んで仕掛ける犯罪映画、フランシスはお金持ちのぼんぼんを演じるようにシャルルに言われクルマや服装、チップを奮発する一見お金持ち青年にはなり切るのだがやはり何処かにチンピラ顔が出てしまう、、それは喋り方や感情のコントロールが自在にならない持って生まれたものなのか、、。この辺りの表現が実に巧い、、これは監督の采配だろうし覆面で汚れたタキシードが似合う俳優さんは絶対に他に見つからないだろう。
 
半世紀が経過したんだしそろそろ日本版でリメイクはどうかな??うーん、、、配役が、、。
 
Youtubeで検索していたらその映画がそっくりそのまま見れる、、字幕が英語になっているので彼らナマの声も聞けるし、そんなで思わず最期まで魅入ってしまった。家内に”アンタ、ナンでそんなPCの画面で映画を見ているの、、?”そう言えばちゃんとDVDがあるじゃないか、、もう少しデカイ画面で見りゃいいんだよな~、。