”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

招かれざる監査官

この管理人業、実は権利が売買されていてそれを買い取るところから始まる、、”運営権利権”とでも言ったら良いのかこの手の集合住宅は開発業者が土地を手当てし其処を宅地開発、高層ならその地区の法令に従った物件を建てる許可を市と州に申請する。建築するとなるとそれなりに資金が必要、一般的にはオーストラリアの開発業者とてそんなに資金が潤沢にある訳じゃない、其処で建築中には販売を開始するのが常だ。
 
その開発場所なり敷地内には住み込み管理人が居住出来る物件も併設しその”運営管理権”も不動産と同様に売ってしまうと言うのがその内幕である。これはどうもクイーンズランド州独特のものらしいのだが建築を請け負った建設会社や開発会社は物件が竣工すればもうその役割は終わりという事らしい。日本のように売買を担当したセールスマンが何時までも面倒を見てくれるというのとは違うし開発業者が自社派遣で管理人を置き、住民のお世話をするという事にはどうもならないらしい。物件の販売は不動産屋の範疇だし買って住みたい人間はそのまま引っ越してくるし州外の投資家は自分が住むのが目的ではなく投資物件としてその物件を賃貸へ回し家賃収入を目論むのである。
 
そんな事情があるのだがこの管理人にはライセンス取得が義務つけられており州政府が認可を出す事になっている。そのライセンズ取得にはちゃんと試験もあり(不動産の売買も出来るフル・ライセンスの一段下)試験に通ると今度は無犯罪者証明を経て年間800ドルだったかの高額費用を払い込んで初めてライセンスが交付される。
 
確かに家賃の管理や業者への支払いもあるので賃貸物件が多くなるとそれだけ扱う金額も大きくなる。その取り立てた家賃を夫々のオーナーさんへ月末には分配もしないといけないので州政府の関係部署の指導は結構厳しい、、それが又、今回2年前に続きいきなりスポット・チェックとか言って担当査察官がやって来てああだこうだとうるさく言われた。要するに賃貸契約書はちゃんと整備してあるか、毎月銀行口座の残高を照合しているか、、ナンだよ又、来たのかよ~、、と言う感じだが2年前には不適切な箇所を指摘されしっかりと罰金も取られたし今度はそんな事にならないよう気をつけてはいた積もりなのだが、、。
 
管理人仲間に聞くと20年もやっているが一度も監査なんか受けた事がない、、と言う人もいる、2年で2回もやられたのは余程運が悪いんだろうか??第一大きな高層マンションや大掛かりな開発とは違いウチなんか小さいもんさ、、総戸数が32戸で賃貸物件は15戸、、オレが管理しているのは僅か9戸だけだぜ、、そんな弱小おっさんをイジメルかな??そんなでこの二日間、普段の仕事は放り出してPCと睨めっこ、、会計士の指導を仰いで指導されたように銀行残高と家賃、、、その他支払い項目を洗い出し指定のフォームで仕上げた。
 
どうもこんな州政府の役人が関与して監査だなどと言われると居心地が悪い、別に何も隠す事も不正を働いている訳でもないのだが他の仕事が手につかない、、。映画なども見る気にもならないし、、今週末はイースター休暇だし先方もその前に済まそうと張り切ってるんじゃないかな、、こちとら別に何処へ行くわけでもないし休む積もりもないのだが精神衛生上誠によろしくない、、それだけは言える。