”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

"地獄の黙示録”(79年)

FOXの月間オスカー作品集、最後に来た戦争映画はこれだった、、”地獄の黙示録”、原題は”Apocalypse Now"と”今、黙示録”なのだがこれを”地獄”にしまさにそのタイトルが原題以上に効果を上げた名タイトルだ。
 
79年と言うと”クレイマーVSクレイマー”が公開された頃でニューヨークでも働く女性たちが自立心を確立し社会的にも認知され始めた頃ではなかっただろうか、、そんな時にベトナムを背景にした戦争映画としてコッポラ監督が作り上げた戦争叙事詩である。
 
イメージ 1公開が待たれ公開と同時に映画館へ駆けつけたのは覚えているのだがはっきり言ってその内容が良く判らなかった、、。
 
かなり衝撃的なシーンやセリフ、それに以降頻繁に使われる事になったカメラアングルや照明、ライティングと今もはっきりと覚えている。
 
ストーリーはこれ又、衝撃的なもので、、;
 
ベトナム戦争後期。陸軍空挺士官のウィラード大尉は、妻と離婚してまで再び戦場に戻ってきた。彼はMACV-SOGの一員として、CIAによる敵要人暗殺の秘密作戦に従事してきた古参兵だった。その実績を買われ、サイゴンのホテルに滞在中、軍上層部に呼び出される。そこで彼は、元グリーンベレー隊長のカーツ大佐の暗殺指令を受ける。カーツは軍の命令を無視して暴走、カンボジアのジャングルの中に独立王国を築いていた。
 
ウィラードは海軍河川哨戒艇に乗り込み、乗組員に目的地を知らせぬまま大河を遡行する。ウィラードは道すがら、カーツの資料から彼の思想を読み取ろうとする。そして一行は戦争の狂気を目の当たりにする。サーフィンをするためにベトコンの前哨基地を襲撃する陸軍ヘリ部隊の司令官。ジャングルに突如として出現したプレイメイトのステージ。指揮官抜きで戦い続ける最前線の兵士。そして麻薬に溺れ、正気を失ってゆく哨戒艇の若い乗組員たち。
 
やがてカーツの王国に近づくにつれて、ウィラード自身も少しずつ心の平衡を保てなくなってゆく。哨戒艇の乗組員を何人も失いながらも、何とか王国にたどり着いたウィラード。彼は王国の支配者カーツと邂逅し、その思想や言動に動揺する。一時は監禁されたものの、改めて自由を与えられたウィラードは、水牛を生贄にする祭りの夜にカーツの暗殺を決行する。     by ウィキ
 
 
 
と、こう言う感じなのだが通常のアクション戦争巨編として違う監督がメガホンを取っていれば全く違った映画になっていただろう。ところがこれがフランシス・フォード・コッポラ先生だからこそ出来たのか映画はもう何回見ても”難解”の極み、兵士たちの”地獄絵巻”である。
 
マーロン・ブランドにしても登場するのは後半僅かなカットのみ、しかしやはり凄い存在感だ。公開当時も確か評論家諸先生方には賛否両論だった、、まあ玄人受けする映画には違いないのだが、、そもそもジョセフ・コンラッドの原作”闇の奥”からしても難解なものだったしそれをベトナムに置き換えてもやはり困難さはついて来た。
 
戦争を否定しつつそこには何時の間にか狂気が浸透し敵も味方も誰が誰だか判らなくなると言う強烈なメッセージが込められておりその表現方法たるや、、単に軍を逃れ自身の王国を築いた元英雄を暗殺しにジャングルに分け行っていくだけのアクション編ではない。戦争映画と言うジャンルから更に細かく分類しヨーロッパ戦線、東南アジア、太平洋戦線、、そしてアメリカ本土とあると思うのだが先日見た”戦場にかける橋”と並びこの映画は東南アジアを舞台にしたトップ・ファイブに入る秀作だと言っても良いのだろう。
 
 
 
 
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