”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”恋におちて”(84年)

これはニューヨークを舞台にした不倫ものの傑作で原題は"Falling In Love"、そして”恋におちて”("Fall In Love")は翌年、小林明子が歌って大ヒットしたテレビドラマの挿入歌だった。どうも発表された時期が重なっているし同じ邦題なのでどっちがどっちだったか混乱するが映画の方はロバート・デ・ニーロが41、メリル・ストリープが35の時だった。この二人は”ディア・ハンター”(78年)以来の共演だったがメリル・ストリープは”クレイマー、クレイマー”やこの映画、そして”マディソン郡の橋”(95年)などで不倫の女王三大傑作と評される程の素晴らしい演技力を見せてくれた。

クリスマスの雑踏の中で初めて出会ったフランク(デ・ニーロ)とモリー(ストリープ)、名も知らぬ二人が互いに惹かれグランドセントラル駅構内をウロウロする場面、(こりゃ普通は高校生の頃に誰しも経験するんじゃなかろうか?)から再度出会って名乗る場面、それからリバーサイドを走る通勤電車内での会話から途中下車へと、、感情の高まりを演じる二人が実に巧いのだ。

普通映画の撮影はカット割りなので舞台劇と違いストーリーのままに演じる事はない。なので集中力は持続しないし毎回気分を新たに前回演じた場面から継続する演技が求められる。それが一人芝居ならそのご本人が気分を入れ替えるだけで済むが相手がある場合、双方が再度感情をリセットしてカットに挑む訳だ。これはかなり大変な”技”ではないだろうか?監督だって何回もテイクを撮って”もうこれで良いかっと?”ってな気分にもなるだろうし、、、。

これが小林明子版の”恋におちて”、たしかテレビドラマの”金妻”の主題歌だったような、。この当時、たまたま田園都市線沿線に住んでいたのでドラマの舞台がご近所とあって印象が強い。

そして映画の方は実は背景になっているリバーサイドエクスプレス、映画より20年くらい前にこの電車が通過するすぐ傍の学校に通っていた事がある。今はどうなっているのやらグーグルマップで検索してみたら何とそんなに変わっておらず建物などは記憶のままに残っているのには驚いた。

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映画のストーリーとしては45年のイギリス映画、ノウェル・カワードが脚本を書きかのディビット・リーンが監督、そしてトレバー・ハワード&セリア・ジョンソンの名作”逢びき”のリメイクなんであるが、、、これは原題が”Brief Encounter”になっていてそれを”未知との遭遇”とせず”逢き”とした手法には頭が下がる、、一歩間違えば”合挽き”だったのに、、。

そんな事を思いながら又、見てしまった。J:COMもどうやら同じ映画ばっかり何回も何回も放映している気がするんだが、。世の中もっと沢山の映画があるんじゃないのかい??