”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”クレイマー、クレイマー”(79年)

昨日のゴールデン・グローブメリル・ストリープに生涯功労賞とも言えるセシル・B・デミル賞が授与された記憶があったのかテレビで”Kramer VS Kramer"(79年)が放映されていて又、見てしまった。邦題は”クレイマー、クレイマー”で最近の若者はこの映画を”商品に因縁をつけるクレイマーとの壮絶なる戦い”だと思っている、、と読んだ事がある。

原作はアヴェリー・コーマンという人が書いたものでそれをロバート・ベントンが監督し実にタイムリーに映画化、そしてアカデミー賞からゴールデングローブ賞と各国の主要な映画賞を総なめにしている限りなく名作に近い秀作だ。改めて見てもその良さを再認識出来る。

そう言えばこの映画が公開されたのはアメリカでは79年の12月だった。実は当時ロスアンジェルスに居住しており次女がこの年の12月に生まれたんだった。私は絶対に映画館へ出向いて見たと信じているのだが家内は映画館では見てないと言い張る、そりゃ臨月のお腹を抱えていたのは確かだがじゃ俺は誰と見たのやら、。余り深く追求してこの映画のようになっては洒落にもならないのでテレビではもう10回くらは見ているよな~、、っでその話題は終了だ。

主演のダスティン・ホフマンは若作りだったがもう42歳、メリル・ストリープは30歳、、この映画の前に”ジュリア”(77年)、そして”デイア・ハンター”(78年)で脚光を浴びていたがこの映画のジョアンナ役で頂点に上り詰めてしまった。

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舞台はニューヨークの冬景色なんだが背景や二人のファッション、、それに小道具にアパートの内装やら調理器具まで、、すっかり当時を思い出して感傷的になってしまった。”ベルボトム”のスラックス、くるぶし部分に”シワ”がよっている女性用ブーツにマフラーやらニットの帽子、ニューヨークの冬は実に寒いのだ。

この映画の時代よりさらに14~15年さかのぼるが日本からニューヨークへ着ていったコートじゃお話にならなかった、、それに雪が降るともう歩けない。アチラでは大きなゴム製の長靴を売っている。買いに入った店頭で”こりゃデカいでしょ??”、、”もっと小さいサイズはないんですか??”と聞いた事がある。そしたら対応した店員が”こうやるんですよ”と言って自分で履いている靴の上にすっぽり被せるように”装着”するって教えられた。

普通の日本人の感覚だと靴を脱いでその長靴に足を突っ込むような気がするんだが、、この時、なるほどアメリカってのは朝靴を履いたら帰宅するまでずっと履いているんだ、、と再認識させられた。

そんな事を思い出しながらミスター・クレイマーが社内クリスマスパーティの最中、仕事探しに奔走する場面など、電話はプッシュフォンになっていたが下部に点灯する内線用のボタンを押しまくったり、とストーリーはもう詳細を知っているので違う観点から最後まで飽きずに見てしまった。そう言えば原題の”Kramer VS Kramer"、これは法廷用語で原告と被告を表現する場合に使われる”VS"なんだった、経験はないのだがそんな意味があって原題になっている事を思うと邦題が意味する”クレイマー”はちょっと違うんだよな~、。

そしてこの79年のクリスマスの翌日に生まれたのが次女、それが今じゃ18ヶ月になる娘を抱いている、、ワタシの心情としては”クレイマー”の気分だよ。

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