”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”007/カジノ・ロワイヤル”(06年)

今さら又、007でもないだろうと思ったが何でもオーストラリアでは地上波初登場らしい、、もう劇場公開から8年が経過しているってのに??じゃ見ない訳にはいかないだろうな、、でもCMで細切れはイヤだし、っで録画する事にした。もしテレビの前に座って見るとなると放映枠は3時間半、、実際には2時間24分の映画なので1時間はCMを見る事になる。
 
イメージ 1この”カジノ・ロワイヤル”でダニエル・クレイグが始めてボンド役に抜擢されたのだが最初は”ええっー、金髪のボンド?”とか批判されたもののこの出演でそんな批評を跳ね飛ばしダニエル・ボンド像を確立した。
 
その昔、67年にデイビッド・ニーブンやピーター・セラーズを007に据えたズッコケ”カジノ・ロワイヤル”と言う映画があったのだがタイトルは同じでもその内容は180度くらいに違う。只、何人か役名がダブっていてヴェスパーにはアーシュラ・アンドレス、そして悪役、ル・シーフはオーソン・ウェルズが演じていた。
 
この映画の設定ではボンドがまだ”007”と言う”殺しのライセンス”を取得する前に戻る。二人目の殺害によりやっとMI6の工作員として認められるのだが出だしはその二人目の殺しの任務遂行で始まる。場所はプラハ、情報部の支局長が本部を裏切っちゃ敵と通じている。その連絡員を始末し支局長の元へ乗り込むボンド、それを冷酷に始末してやっと007のステイタスを手に入れるまでがモノクロ画面で一挙に語られる。
 
そしてタイトル・ロール、主題歌が入り今度は任務でアフリカへ、ここから一挙にアクション炸裂だ。強くて素早いボンドの登場だ、、これは過去誰が演じたボンドにも優っているしアクションの切れ味は抜群。そしてプロットの組立から謎解きまで、、、同時にテロリストの為のバンカーとして資金提供から運用までを手掛ける、悪人ル・シーフ(マッズ・ミケルソン)のテロ計画が描かれていく。
 
確かにイアン・フレミングのキャラクターはそのままだがもう英国情報部のスパイ映画と言うイメージは一掃され新たなボンド映画としての地位を確立したような、、以前のような荒唐無稽な仕掛けや原作にあるような台詞は出て来ないしマーティニだって”そんなのはどうでも良い”と言わせる始末、、”Bond、My Name Is Bond”と言う歴代のボンドが言っていたお決まりの台詞だって最後の最後に辛うじて言わせている、、。
 
マダガスカルで監視し追っかけて大使館へ逃げ込んだ挙句に最後は殺してしまった容疑者の携帯電話から通話先がバハマ諸島だと判りボンドは”M”には詳細を告げすに単独で乗り込んでいく。其処のカジノで大勝負の末、勝つのだがその相手がル・シーフの手下だった。その手下を追って一路マイアミへ、、ル・シーフはその晩、空港でお披露目となる大型旅客機を爆破し株価が下がる時に資金を投入し大儲けする事を企んでいた。
 
この辺りのプロットが微妙に相互に絡んでいて良く見ていないと訳が判らなくなりそうだ、、ボンドに阻止されたお陰で儲け損ない手下も大損、、しかもボンドに殺されてしまう。其処から展開はモンテネグロへ、、世界各国のプロ・ギャンブラーを集め大ギャンブル大会を開催することに、、ここでやっと登場するのがヴェスパー(エヴァ・グリーン)、ボンドとは夫婦としてこの”カジノ・ロワイヤル”でル・シーフを相手に総額150億と言う大勝負をする事になる。
 
一挙にアクションはここまでハイオクタンで進み今度はカジノでのシーン、、ル・シーフの癖を見抜いたと思いきや逆に完敗、最後はCIAからお忍びで参加して来たフェリックス・ライターの支援とヴェスパーの協力で資金を再調達、最後の大勝負となる。この辺りから今までのボンド・シリーズには見られなかった情景が、すっかりラブ・ロマンス風になって来る、、お相手はヴェスパーなんだが”00”のステータスを手に入れたばかりのボンドが辞職して二人で”普通の生活”を夢見たり、、実際”M”に辞表を書いたりする。そしていよいよクライマックス、、と言うか謎仕掛けの結末に向かって行く、、、。
 
確かに幾らCMを飛ばして見ても2時間24分は長いのだが組立が良くテンポが早いのでダラダラする印象は全くない、今回もう3-4度目になるがやっと理解出来た部分もあるし終盤ミスター・ホワイトの存在が明らかになりこの二年後に公開となる”慰めの報酬”に繋がるので再確認が出来た。
 
12年には”スカイフォール”でノスタルジー満載のボンドを演じてくれたがこの”カジノ・ロワイヤル”、、、その長き半世紀に渡り全23作品が制作されているが映画としての完成度はこれが一番とか、、その躍進している理由も頷ける。あの時代の007キャラクターとしてショーン・コネリー版は素晴らしいものがあるがこの映画はもう次元が違うと言うのが正直な感想だ。
 
 
 
 
 
 
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