”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ハバナ”(90年)

イメージ 190年に公開された映画、原題が”Habana”、それをそのままカタカナ化して”ハバナ”、、、担当者はちゃんと映画を見ているのかな?と思わせる。せめて”ハバナの暑い夜”とか、”ハバナに吹く風”とかもうちょっと女性ファンを意識して邦題をつけていればヒットしたものの、、折角魅力いっぱいのロバート・レッドフォードが可哀想だよ。
 
この映画の当時、既に50を越していたので往年のファンにはもう若き頃の面影を残す最後の作品だったかも知れない。それに監督がシドニー・ポラックなので公開当時は期待した洋画ファンは多かった筈なのだが、。
 
ストーリーは;
 
革命前夜のキューバハバナへ向かうマイアミを出航したフェリーに乗るジャック(R.レッドフォード)は名うてのギャンブラーでポーカーのプロだ。そのフェリーに乗り合わせたのがボビー(レナ・オーリン)と言う美しい女性、あるきっかけでハバナ上陸の際、自分の車と交換して欲しいとボビーに頼まれ800ドルを受け取ってしまう。ジャックは念の為に何が彼女の車に隠されているのか確かめるのだがそれは運転席側のドア内部に隠されたアメリカ軍隊支給の通信機器、、不審に思いながらもその車を運転して無事税関を通過、ハバナ市内の指定されたホテルへ届け任務は完了だ。
 
ここまでは快調そのもの、、ロバート・レッドフォードも往年の魅力満載でプロのギャンブラーを演じている。頭脳明晰、数字に強く時間を掛けてじっくりポーカーをやれば負けない自信満々さが出ていてその後の展開を期待させる。
 
時は1958年の12月、映画”ゴッドファーザー”でも舞台になっているがこの年、キューバ全土は革命を期待する庶民とそれを抑えるべく暗躍する政府、それに肩入れするアメリカの官僚、これらが微妙に絡んでいる。この映画でも背景にその危なっかしい時期が巧く取り入れられていて緊迫感が増す。
 
車をボビーに届け自分の車を取り戻したジャックはホテルのカジノで彼女の夫に紹介される。そのご主人と言うのがアルトロ(ラウル・フイリオ)だった事からお話が一挙に緊張モードに、、何せアルトロは革命軍の司令官で全土で繰り広げられている革命闘争の当事者だ。その翌日、アルトロは警察の追求を逃れる際に銃撃され射殺写真が一面を飾っている。ボビーも召喚され刑務所で拷問責めだ、、そんなボビーをポン友で貸しのある警察署長を上手く言いくるめ釈放させたジャックは傷心のボビーを慰めるうちに恋に落ちていく、、、。
 
おおおっ、こりゃ何処かにあったなこんな展開が、そうだよこりゃ全くそのまま”カサブランカ”じゃないか??そりゃ舞台はアフリカからカリブ海に変わってはいるが革命紛争の最中、ご主人を亡くした美女とさすらいのギャンブラー、、現地警察に顔が効くところまで同じ設定だ、、そしてビックリなのはその後の展開。何と警察に追われて射殺されたハズのアウトロが生きている、、しかもそれにはアメリカのCIAが絡んでいて殺されたと見せかけて革命軍を骨抜きにする計画だった。
 
その事実に揺れ動く女心はかのイルサの心境と全く同じ、、只、此方のボビーの方が強い。事実を知ってジャックを引っぱたくがそんなに責められてもジャックだって知らなかった事だし、、、そして一気に58年の大晦日、一世一代の大博打大会をホテルで開く事になっていてジャックはポーカーで最後に大儲けをするかボビーとアメリカ本土へ逃げるか、、、或いは自分は身を引いてボビーとアルトロを逃がすか、、、、。そう、もう終盤は完全に”カサブランカ”のリメイク状態と相成りました。
 
そして結果まであの通り、、ありゃどうやっても変えられないだろうな。そしてラスト・シーンは1963年、マイアミの海岸、あれから4年の歳月が経過、ジャックは相変わらずのギャンブラー生活らしい、、被さるようにジャックの声でナレーションが、、”何時も此処に立ってボビーがフェリーに乗って帰ってくるのを待っているのさ、、”っでジ・エンドのサイン、、バカな男を笑ってやるぜ。悲恋物語とはちょっと違うのだがタイトルを工夫していれば絶対に評価は上がったと思う。でも最後まで”カサブランカ”だったな、、、いっそ”哀愁のカサブランカ”じゃ郷ひろみか??じゃなくて”哀愁のハヴァナ港”とでもすれば良かったのに、、。
 
 
 
 
 
 
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