”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”誘拐の掟”(14年)

イメージ 1この映画、実は公開と同時に映画館に駆けつけて一回、そしてFOXで有料配信になった時に5.5ドルを払って一回、そして昨晩タダになり放映されたのを録画してもう一回と”鑑賞の掟”みたいに見まくっている。それ程にお気に入りリーアム・ニーソンの主演映画である。

ローレンス・ブロックが書いた原作が”A Walk Among The Tombstone”、それが翻訳されて邦題が”獣たちの墓”となり今度の映画化では”誘拐の掟”コロコロ変わっている。”獣たちの墓”でも良いのじゃないかと思うのだが、、確かに”誘拐の掟”には違いないが、、”ウォーク・アモング・トゥームストーン”にしなかっただけ良しとしよう、、、。

ローレンス・ブロックの“マット・スカダー”シリーズの一編『獣たちの墓』を「96時間」「フライト・ゲーム」のリーアム・ニーソン主演で映画化したハードボイルド・サスペンス。残忍な犯行を重ねる猟奇殺人鬼と落ちぶれた元刑事マット・スカダーの緊迫の攻防をスリリング描く。監督は「ルックアウト/見張り」のスコット・フランク

1999年、ニューヨーク。かつて酒に溺れ、刑事を辞めた冴えない私立探偵マット・スカダー。ある日、ドラッグ・ディーラーの男から、“妻を誘拐して惨殺した犯人を突き止め、捕まえて欲しい”との依頼が舞い込む。やがて犯人は2人組で、警察に通報できない麻薬関係者の身内ばかりを狙い、猟奇的な凶行を繰り返していることが明らかとなってくる。そんな中、新たな誘拐事件が発生する。被害者は別のディーラーの14歳になる娘ルシア。同一犯の仕業と確信し交渉役を引き受けると、残忍で狡猾な犯人を相手にギリギリの駆け引きを展開し、徐々に追い詰めていくスカダーだったが…。by allcinema

となるのだが、、では何がそんなにずば抜けて良いのかと言うとまず時代設定とテンポの良さ、出だしは91年のニューヨーク、張り込みの途中、仲間を車内に置いたままバーでショットグラスからウィスキーとコーヒーを飲むマット(リーアム・ニーソン)其処へ街のギャングがみかじめ料を取りに来る、断るバーテンダーを撃って逃げるのだがそれを追いかけるマット、辛うじて追いかけた敵を倒すものの流れ弾が不幸なことに近所にいた少女に当たってしまう。

この僅か4-5分の導入部でマットの経歴、刑事を辞めた理由、そして酒も絶ってしまった理由が判る。そして一転して場面は99年のコーヒーショップ、、其処でドラッグ・ディーラーの弟に接近され兄の為に人肌脱いでくれないか、、と依頼を受ける。

妻を誘拐された兄のドラッグ・ディーラーの頼みなのだが、、手持ちの現金4万ドルは強奪され奥さんはバラバラ死体となって送り返されている。マットに真犯人を探し出すように頼むのだが、、最初マットは取り合わない。そんな大事件はFBIの管轄だと突っぱねるのだが麻薬で生業を立てている彼らには警察に駆け込むことなど出来やしない。そこからマット一人の地道な捜査が始まる、、これが又、すこぶる現実的で距離感や時間の観念がかなり正確に描写されている。

通常の映画撮影では実写ロケはしても場所を特定出来ない工夫を凝らし街角を曲がるともう別の街角、、何てケースが多い、それに時系列的にも撮影には色々と制約があるのでさっきはコーヒーショップの壁に掛かっていた時計は昼過ぎだったのにそれが前後したり翌日になっていたりで見ている側は白ける事があるのだがこの映画はドキュメンタリータッチなのか見ていて最後まで納得出来る舞台構成になっている。それに音響効果、脚本と申し分ない、、とこれはちょっと入れ込み過ぎているかな??

08年に”96時間”でアクションヒーローとして強いリーアム・ニーソンが誕生しそれももう3作作られた、、更には強いリーアムが立て続けに主演を演じているが来年はアクションは封印して遠藤周作原作の”沈黙”でフェレイラ牧師を演じる、、ここでは犯罪界のディーラーを助ける役割で確かに強いリーアムは健在なのだがそこはあくまでも元CIAのスーパーヒーロー的強さではなく現実的でアル中を脱したニューヨークの私立探偵に徹している。それにやはり巧い、、どうもアクション系だと忘れられがちだが本来彼は舞台劇に出ていたんだ、、遅咲きでアクション界にやって来たのだが52年生まれ、何時までアクションで行けるか、、。


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