”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”プロフェッショナル” (66年)再

この映画の事は以前にも投稿している。それが今回NHKBSで放映されたので暇にかまけて再度鑑賞、でも残念乍ら初めて劇場公開されて見た時と印象は変わらなかった。兎に角、設定良し、配役良し、なんだがどうにもツマンネーのだ。NHKの解説には”西部劇の名作だ”とか書いてあるが冗談じゃねえ、これが名作だったら世の中に駄作は無くなるぞ。
 
以下が以前投稿した時のモノだが、、;
原題は”The Professionals”、そのまま”プロ集団”なんだが邦題もそのままカタカナ化、66年公開なのでもう半世紀以上が経過している。先週映画館で007を観戦して以来ずっとクラシック・シネマばかりだ、、この西部劇は公開時に見ているのだがその後すっかり見過ごしていた数少ない映画かも知れない。
 

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背景はメキシコの独立戦争末期、時代設定は1920年頃じゃなかろうか?同じようなメキシコ混乱期でバート・ランカスターゲイリー・クーパーが競演した”ヴェラクルズ”(54年)は1866年の頃、この映画の設定よりも半世紀程前の設定になる。
 
こちらの映画ではテキサスの大金持の奥さん、マリア(クラウディア・カルディナーレ)が反乱軍の首謀、ラザ(ジャック・パランス)に拉致され何処かへ連れ去られてしまう、、。
 
その奥さんを取り返す為に大金を投入して”プロ集団”を雇う、、そのリーダー恪がビル(バート・ランカスター)、そしてヘンリー(リー・マーヴィン)、、それにロバート・ライアンにウッディ・ストロードと言う面々で夫々に特技がある。
この個人が持つ”特技”ってのは”荒野の七人”(60年)、更に言えば黒澤監督の”七人の侍”から拝借された手法なんだが映画化するにはこれ程簡潔に観客に興味を抱かせる設定はないだろう、、故に黒澤監督の観客を魅了するオリジナリティ設定だと解釈しているのだが、、。
 
クラウディア・カルデナーレと言えば当時イタリア映画界きってのスター、”刑事”(59年)や”ブーベの恋人”(63年)、”山猫”(63年)で日本でもソフィア・ローレンと人気を分けあっていたような、、そんな”CC”が28歳の時にアメリカへ招待されて撮った西部劇だった。
 

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個人的には”BB"や”CC"、”MM"それにイタリアの肝っ玉母さん的なソフィア・ローレンは余り好きなタイプの女優さんじゃなかったのだが、、この人の魅力はあのカスレたような声にあるんじゃなかろうか??昨今の吹き替え版じゃそんな生の声も聞けないしその魅力も判らないかな~、、。
 
そう言えばその昔、淀川先生が日曜洋画劇場のなかだったかで”シェーン”の放映時に最後のジョイ君のセリフ”シェーン、、カムバック~”と言うのを吹き替えなしで生の声でオンエアーした事があった。あれは素晴らしい発想だった。
 
映画の方はジャック・パランス扮する反乱軍の首謀を追うのは無論だがこれが一筋縄ではいかない、、問屋もなかなか卸してくれないし、一転二転とあって最後は”あっと驚く為五郎”まで出て来る。惜しむらく監督がジョン・スタージェスロバート・アルドリッチだったらもっと評価の高い、いや格調高い西部劇になっていたのではないだろうか??
 
ああやっぱり、、こうして自分で読み返しても当時と同じ事を思っていたじゃないか?夫々が主役を張れる個性的な俳優陣に紅一点でクラウディア・カルディナーレ、ナンでこうツマンネー映画になってしまったんだか?