”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”影なき狙撃者”(64年)

同じ原題”The Manchurian Candidate"でも64年に始めて映画化された時は”影なき狙撃者”それが04年にリメイクされた時は”クライシス・オブ・アメリカ”、、、これ程ガッカリさせられる事はない。何で”クライシス”??、、何せ原題は”マンチュリアン・キャンディデート”じゃないか?それなら百歩譲って64年版と同じ邦題でも良いような気がするのだが、それとも何でもカタカナにしないといけない不文律でもあるのだろうか?

原作が書かれたのは59年、アメリカ人のリチャード・コンドンで62年に最初の映画化がされている。主演はフランク・シナトラ、他にはローレンス・ハーベイ、ジャネット・リーにランジェラ・ランズベリーと当時は豪華な顔ぶれだった。そして監督がジョン・フランケンハイマーだったのでこりゃ見逃すわけにはいかない。ジャンルとしては一種のスパイ/スリラー映画で政府の要人暗殺計画である。

イメージ 1オリジナルの時代背景は朝鮮戦争、リメイクでは湾岸戦争が舞台になっていた。プロットはその戦争現場で活躍した兵士を洗脳し脳内にカプセルを埋め込み要人暗殺のチャンス到来となった時に催眠誘導し合言葉で直接指令を下すと言うものである。

シナトラが暗殺を指令される兵士、ローレンス・ハーベイが次期副大統領を狙う上院議員、その母親にアンジェラ・ランズベリーだった。

リメイク版ではデンゼル・ワシントンが殺しを指令される兵士で次期副大統領候補がリーブ・シュレイバー、、そしてママ役がメリル・ストリープとこれまたオリジナルに遜色ない配役だった。更にジョン・ヴォイト上院議員でその娘がヴェラ・ファーミガ、、そして監督がジョナサン・デミ、、”羊たちの沈黙”や”フィラデルフィア”を撮っている。


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そう言えばデンゼル・ワシントンは”サブウェイパニック”や現在上映中の”マグニフィセント・セヴン”等のリメイクにも出ているな、、まあ今時マーク・ウォールバーグもそうだがリメイクばっかりに出ている俳優さんはザラかも知れない。

面白いのはこの映画の原題”The Manchurian Candidate"、マンチュリアンは”満州”、そこから来たキャンディデート、”候補者”と言う事になるので正確には”満州から派遣された候補者”なのだが”洗脳された人”と言う意味に置き換わりタイトルが実社会で一人歩きしている。



リメイクとは言えメリル・ストリープは素晴らしいし巧みなプロットは健在だった。これなら”リメイクじゃん??”と文句は言わない。

但し”クライシス・オブ・アメリカ”と言うふざけた邦題にだけは文句タラタラ言ってやりたい。これじゃ恐らく見逃しているファンも多いと思うし折角の秀作が泣いているぜ、、まさに”クライシス・オブ・邦題”じゃないのか??担当者っ、ナンとかならないのか??検索していたら何とまあ~、、オリジナルは最初”影なき狙撃者”だったのに88年にリバイバル公開された時は”失われた時を求めて”に改題されているそうな、、、そんな邦題だったら絶対に見てやらない。もう勝手にしろ!!


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