”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”野蛮なやつら/Savages”(12年)

この映画、監督の名前にオリバー・ストーンとなけりゃ見てないだろう。原題はそのまま”Savages"、、もう6年も前に制作された映画だった、。ポスターを見ると何やら記憶の底にあるような気もするが”バベル”と勘違いしているのか?構図が似ている。主演の二人は別にしてジョン・トラボルタ、サルマ・ハヤック、、それにベニチオ・デル・トロも配役されている、こりゃめっけ物かな?

イメージ 1主役の二人はテイラー・キッチュにテイラー・ジョンソン、、その二人が同時に愛している女性がブレイク・ライブリー、、、とちょっとジイさんには誰が誰でどうなってんのか全く判らない状態だった。

要約すると主役の二人は合法じゃないマリワナの栽培で成功している若者、、カリフォルニアでもメキシコに近い場所で悠々自適な三つ巴生活を送っている。

自分たちの生活を映画、”明日に向かって撃て!”になぞらえているので監督のオマージュと言うかその入れ込みは判る。そしてこの映画も現代に再現されてはいるのだが奇妙な三角関係がその根底になっているのだ。

お~、、やっぱりオリバー監督、目の付け所が違うじゃん、、と引っ張り込まれる。ところが悪行に手を染めて儲けているんだからもっと悪いヤツに狙われたっておかしくないよな、、その二人の最愛の女性が麻薬組織の元締めに誘拐されてしまうのだ。

allcinemaに書かれているのは、、;

植物学者のベンと元傭兵のチョンは10代からの親友同士。2人は大麻栽培のベンチャー企業で大成功を収め、カリフォルニアのリゾート地で優雅な生活を送っていた。そんな2人には、オフィーリア(通称O)という共通の恋人がいた。それは、嫉妬や対立とは無縁の奇妙で安定した三角関係だった。

ところが、彼らの平和で満ち足りた生活に突然の危機が訪れる。メキシコの巨大麻薬組織がベンたちに提携を持ちかけてきたのだ。2人がそれを拒否すると、今度はOを誘拐し、彼女を人質に強引に服従を迫るのだった。

となるのだ。そして麻薬組織の総元締をサルマ・ハヤック、その手下で忠実に働いているのがベニチオ・デル・トロ、、そして彼らを追っているFBIの取締官がジョン・トラボルタ、、って配役なんだが、。夫々が相手に忠実じゃない、デニス(J・トラボルタ)は組織から賄賂を受け取っているしラド(B・デル・トロ)は虎視眈々と大ボスのエレナ(S・ハヤック)を押しのけて後釜に座りたいし目的が違うのだ。

映画のメインテーマはその誘拐されたオフィーリアを救出する為に”裏切り”、”陽動”、”騙し”と作戦を編み出し総元締へ迫っていくのだがこの辺りの作戦はなかなかのもの、、どうにも大ボス、エレナの所在が判らず拉致されたオフィーリアが何処にいるかも判らない。そこで実施される作戦が、、エレナの大事な一人娘を逆に拉致してしまうのだ、この構想は流石のオリバー・ストーン風に仕上がっている。

しかし最後が、、実は全編要所要所にオフィーリアのナレーションが入り状況や背景を語る手法なんだが終盤がどうも先の”明日に向かって撃て!”のエンディングを意識し過ぎている雰囲気なんである。そう来るかな、、と思いきや案の定、最後の修羅場で双方が拉致していた娘、二人を交換する場面で壮絶な銃撃戦となり(この辺りはタランティーノ監督風)、”皆殺しの歌”になってしまう。するとオフィーリアの声で”私はこうなると思っていた、、でも実際にはそうは成らなかったの”、で最後の5分は違うエンディングが用意されていたのです、。

これはちょっと拍子抜け、、映画館だったら最初のエンディングで忸怩たる思いで席を立っていたかも知れない。何となく大阪の串カツ屋さんに提示されている”二度づけはお断り”って表示を思いだしちまったよ、、。