これは公開当時、かなり衝撃的な映画として紹介された事だけは覚えている。最も公開時に映画館で見てはいるのだが小学生には理解不能、そんな内容よりも主題歌として使われていた”ワルチング・マチルダ、、、ワルチング・マチルダ♪♪~、、”が一番印象に残っている。これが歌詞付の曲ですがもろオージー訛りとアボリジニの歌詞でワタシにはサッパリ理解が出来ませぬ、、(´▽`)。
東京オリンピックが64年、その前の大会が60年のオーストラリアはメルボルン、まさにそのメルボルンが舞台だった。米ソの核戦争が発端で人類が滅亡に向かっている真っ最中の物語、主演はグレゴリー・ペックにエヴァ・ガードナーそして監督はスタンリー・クレーマーの秀作である。
今やこのオーストラリアに住み着いて30年が経過しようとしているのだがこの映画がこの国との最初の接点かも知れない。無論このワルチング・マチルダがきっかけだがどうもこの曲を国歌として認めるべ~、、と言う運動も長年あったようだ。ワタシはてっきりこれが国歌だとばかり思ってた、、。どうも元ネタはスコットランド民謡から引用されたらしいが1800年代の後半にオーストラリアらしい歌詞が書かれそれ以来”準国歌”としてそりゃ多くの場面で演奏されるし歌われているのだ。
映画の方はベストセラー原作の映画化である。57年にネヴィル・シュートと言うイギリス人が書いた長編小説で出版時のタイトルは”On The Beach"もうこれっきゃ翻訳のしようがないと言う程で邦題は”渚にて”になっている。確かかなり年月が経過して読んだのだがやはり衝撃的だった。
第三次世界大戦が勃発し、世界全土は核攻撃によって放射能汚染が広がり北半球はすでに全滅。僅かに残った南半球の一部地域に人々が暮らすだけになっていた。そんなある日、本国に帰港出来なくなったアメリカ原子力潜水艦がメルボルンに入港する。
そこで艦長タワーズ(ペック)は美しい女性モイラ(ガードナー)に出会いしばしの休日を楽しむが、その地にも死の灰は確実に迫っていた。しかし生存の道を探る学者達の提案で、オーストラリア軍の若き大尉ホームズ(アンソニー・パーキンス)や学者のジュリアン(フレッド・アステア)たちと共にタワーズは潜水艦で北極圏に汚染調査に出掛けて行く。
しかしそこでも汚染レベルは依然高く、乗員達は落胆の色を隠せないまま帰路に着く。そして途中寄ったサンフランシスコではもっと悲惨な現状を目の当たりにし、メルボルンに帰港するのだが、彼等を待っていたものは最後の数十日と死への旅立ちだけになっていたのだった……。
全編に渡って描かれた迫り来る死への不安と恐怖。その絶望的状況をちょっとしたエピソード(美しい海辺の描写がかえって悲しいシーンとなるなど)を使ってひしひしと伝え、中途半端に核戦争を扱った作品には到底及ぶことの出来ない悲壮感を衝撃映像なしに描き出した、まさに力作と呼べる作品。by allcinema
と言うお話しなんだが画面はモノクロ。派手な打ち合いとか核爆発場面なんぞは一切なし、潜水艦艦内とひたすら残された人達が自身の人生を全うすべく淡々と綴られていくのだ、。無論、最初見た時にはナニも判らなかった、それが2回3回と繰り返し見る度にこりゃ凄い映画じゃないか、、となった次第であります。これは全ての映画ファンに見て欲しい、、それと北の剃り上げにいちゃんや過激な発言が止まらない米国最高司令官にも、。