”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”薔薇の名前”(86年)

イメージ 1久し振りに”薔薇の名前”をじっくり再見した。公開当時の86年に一度映画館で見ているのだがかなり重厚でグロい描写が多かった記憶がある。ジャンルは極上ミステリーだが何せ背景が1327年、中世のイタリア、それも古い修道院なのでちょっと勝手が違うのだ。

それに主演がショーン・コネリーでウィリアム・ザ・パスカヴィルとして殺人事件の捜査にあたり帯同して来た助手はアドソと言う駆け出しの僧侶、それを若いクリスチャン・スレーターが演じている。物語はこのアドソがナレーションを務め回顧録風に語られていく。

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映画には”犬神家の一族”風の場面もあるし後年”ハリポタ”シリーズで登場した階段が入り混じる迷路も出て来る、、それに登場人物が奇怪なご面相ばかりで”スターウォーズ”に出て来るダース・シディアスパルパティーン議長)のそっくりさんも出て来るのだ。



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こっちは”SW”の元パルパティーン議長、、そして”薔薇の名前”の方では盲目の師、ブルゴスのホルヘに扮していてかなりな重要人物だ。

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犯人探しには違いないのだが映画の雰囲気がもうおどろおどろしいもので登場人物全員が犯人でもおかしくない、、それじゃアガサ・クリスティになっちゃうか?

原作を忠実に映画化しているそうだがどうにもこの時代のイタリアに於ける宗教ってのは背景が判らないと理解するのも大変だ。街や市、それに国までも宗教、教会がコントロールしていたであろうことは想像出来るのだがどうやら絶大な権力を持っていたようだ、。

そうは言ってもこれは秀作だ。何がかと言うとその真相に迫ろうとする主人公を上手く使った演出に舞台装置、、それを助けるショーン・コネリークリスチャン・スレーターの演技に尽きるかも知れない。それにこの不気味さからは目が離せないのだ、、ショットによっては”ううっ、、”と目を背けるシーンもあるのだが、。

これは現代社会、教会の内部を再構築してリメイクしたら面白いかも知れない。っと言うかかの原作を現代に蘇らせても良いのかも?今回再見してやっと原題で言わんとしていた意味が判った、、確かに”薔薇の名前”だった、。


映画の出来:☆☆☆+
ブログの完成度:☆☆☆
IMDbの評価:7.8