”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

映画は字幕派、、?

久し振りに”クリムソン・リバース”と言うジャン・レノの本格推理モノを見た。怪奇連続殺人事件を追う刑事と別の事件を追う刑事が何の繋がりもなかったのにいつの間にやら2つの捜査線が一つになって合同捜査へ、、と発展していくのだがなかなか見応えがあった。続編も2004年に出来ているのでそれなりに評価も高かったのだろう。

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ジャン・レノと言えばやはり”レオン”、その辺にいる冴えないおっさんが実はプロの殺し屋、あの映画が一番鮮烈であった、、以降”ミッション・インポッシブル”では裏切る悪役、そしてパリの刑事役と何処からどう見てもフランス人っぽい雰囲気が一杯だ。実はスペインxカサブランカなのだがフランス語主体の出演が多い。

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プロットは良いし画面に引き込まれていたのだが何かがヘンな事に10分ほど経過して気が付いた、、そう、ジャンが流暢な英語、しかも明らかにアメリカの脚本による台詞を喋っているではないか。これまでの片言、と言うかフランス語訛りじゃない英語、、しかも同僚に指図する言葉や警官同士の会話も英語だ、、。日本で吹き替え版を見ている場合には絶対気付かない事なのだがどうにもこうにも不自然で、、だって飲み屋のおやじまで”How Are You?”じゃ締まらないでしょ?壁の表示はフランス語だっちゅうのに、、それに全編妙に口の動きが台詞と合っていない。こりゃ多分フランスで制作されたものをダビングしてアメリカ仕様にしたのではないかと気が付いた。

これが仮に全編フランス語だったらそりゃもう理解能力は超えてしまい何が何だか判らない状態だが英語の字幕なら充分に理解出来る。現に日本で上映される映画も我々世代は字幕で見ていたし俳優さんのナマの声にも接していた。発音、言い回しも演技のうちとすれば吹き替え版はその俳優さんの演技力からマイナス20点くらいになるか、、でも声優さんが素晴らしくて演技をしているご当人を補ってしまうケースもあるし、、。日本で放映されたドラマシリーズ育ちの我々の世代としちゃアラン・ドロン野沢那智ショーン・コネリー若山弦蔵、、と決まっていたもんだが。

ハナシは又、早川雪洲に戻るが”戦場に架ける橋”でのサイトウ大佐、あの日本語訛りの英語には迫力があった、、何せ”インペリアムアーミー、、”と一言一言を的確に発音していた。ご本人は20代には渡米されていたので実際はもっと堪能であったのではないかと思う。吹き替え版を見た記憶がないのだが一体誰が吹き替えをしてどんな感じなっているのだろう?

ヨーロッパ各国では映画館の上映でも吹き替えが一般的だし画面で誰が何語を話すにせよ理解出来りゃそれで良い、と大分寛大だ。日本でも昨今字幕を読むのは疲れる、、追いつかない、でもってTV感覚なのだろうが吹き替え版が幅を利かしている由。元々TVの小さい画面では字幕は読み難いと言う訳で吹き替えになったと何処かの本には書いてあるがこの調子で吹き替えが主流になるともうご本人の声に接する機会はなくなるのだろうか、、勿論ドンパチ、ドカーン、バコーン、ガラガラ、だらけのアクション映画じゃそんな心配はないか。まさかワンコの鳴き声を”バウバウ”じゃなくて日本式に”ワンワン”と声優犬を使って直すなんて事はやらないだろうな~、、いや、やりかねないぞ。