”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”インヴィクタス”、無敵のラグビーチーム

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映画は時の大統領、ネルソン・マンデラと南アのラグビーチームが95年のワールド・カップ優勝を目指すものである。こう書くとプロの根性モノと思うが実はマンデラ氏の思い入れから4千3百万の国民を一つに団結させるまでの物語である。

監督はクリント・イーストウッド、主演はこの人っきゃいない適役でモーガン・フリーマン、南アのキャプテンにマット・デーモンである。出だしは27年に及ぶ幽閉から解放されたマンデラ氏が大統領に選ばれ官邸に勤務していたスタッフにスピーチをするところから始まる。タイトルになっている”インヴィクタス”これはラテン語で”インヴィンシブル”即ち”無敵、常勝を約束された”と言う意味なのだがその出典は実はイギリスの詩作家ウィリアム・アーネスト・ヘンリーが書いた詩である。原文は;

Out of the night that covers me,
Black as the pit from pole to pole,
I thank whatever gods may be
For my unconquerable soul.

In the fell clutch of circumstance
I have not winced nor cried aloud.
Under the bludgeonings of chance
My head is bloody, but unbowed.

Beyond this place of wrath and tears
Looms but the Horror of the shade,
And yet the menace of the years
Finds and shall find me unafraid.

It matters not how strait the gate,
How charged with punishments the scroll,
I am the master of my fate:
I am the captain of my soul.

そして彼がこの詩を書いた背景は僅か12歳で結核に冒され片足を切除されたその病室で書き上げたものである。それをマンデラ氏は幽閉されていた間に自分の心の糧として紙切れに書かれたものを独房で熟読していた、、そう奥が深いのである。

映画の詳細には触れないがこれらが背景である、、。まあ、お話は事実なので最後にどちらが勝つかの興味はないがマンデラ大統領が最終戦でNZのオールブラックスと対戦する開場に向かう車中で”一体どんなに強いんだ、相手は”と聞くシーンがある。その返事が”日本と対戦した時に100何点対17で楽勝したんですよ、これは世界大会の記録です、、”何て言われちゃった。確かにこりゃバスケットの試合みたいな得点で日本はマッタク歯が立たない、、、今でもことラグビーに関してはそうだが。それには場内、ラグビーファン多し、爆笑だった、、。でも初戦では絶対有利だったオージーが負けたのでその場面ではみんなシュンとなってたな、、。

それにしてもイーストウッド監督、凄い。彼の企画力と言うか目のつけどころが違う、毎回テーマが変わるのは勿論だがそれを存分に料理して我々を楽しませてくれる。見終わったばかりなのにもう次作への期待で一杯だ、、。今回も息子のカイルが音楽を担当、そしてジェームス・ムラカミ氏と言う多分日系だと思うのだが彼がプロダクション・デザインを担当している、、過去イーストウッド監督の常連だ。この二人からも目が離せない、今後の活躍が楽しみである。