”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

英国TVシリーズ”メサイア”

このおっさん、とても頭脳明晰、辣腕の刑事には見えないだろう、、。
 
イメージ 155年エジンバラ生まれのケン・ストットと言う俳優さんでイギリスではTVを中心にかなり多くの作品に登場している。この何処にもいそうな普通のおっさんがこのTVシリーズ”メサイア”と言う番組でめっぽう鋭い刑事をやっている。
 
このシリーズは毎回90分の放映を2回で完結するもので現在はシーズンIIIIまで進んでいる。これまでオーストラリアでは計2シリーズが完結しているがロンドンの警察署に勤務するこのレッド・メトカーフ以下刑事たちの活躍を描いている。
 
題名の”メサイア”とは;(以下ウィキから抜粋)
ユダヤ教におけるメシア(w:Jewish Messiah)はダビデの子孫から生まれ、イスラエルを再建してダビデの王国を回復し、世界に平和をもたらす存在とされている。
 
とあってそれがどうして題名になっているのかは判らない。ストーリーは毎回(これまでの2話)シリアルキラーを描いたもので最初はキリストの最後の晩餐に登場する全員が死んだ時と同じ手法で殺人が繰り返されそのナゾを解くのに試行錯誤する刑事の姿が描かれていた。2話は刑務所からの脱獄事件後、怪我をした囚人が病院で警察の保護下にあるにもかかわらず一人、又一人と殺されていく連続殺人事件に発展、、次回完結。これからは目が離せない、、終盤では遂にレッド刑事の元妻まで事件に巻き込まれる。彼女は心理学者なのだが勤務先を出て乗り込んだエレベーターの床が何とない、、、そして暗いエレベーターシャフトを落ちていく場面で、、終わり。こりゃ続きを見ないと。
 
何と言っても日本の刑事モノとの大きな違いは配役陣には一切派手さがなく極めて”ホンモノ”に近い(実際に本物に接する機会はありがたい事にこれまでないので想像の範囲)し妙に媚びたところや馴染みの酒場とか全然流行っていないお店やママさんも出ないし主題歌だってありゃしない、、、。しかし演技陣は凄いし脚本も半端じゃない、、思うところ毎回2話、合計180分のストーリーを半年に一本しか制作していない、、って事はそれだけじっくり時間をかけてストーリーも練って練って、良い脚本を書いて作っているからではないだろうか。
 
この主演のレッドは離婚暦があって現在の奥さんとは手話でしか会話が出来ない設定、チームを組む若い女性刑事もなんて事ないごく普通の刑事さん、、周りの人たちも同様、しかししっかりした謎解きがあるしプロットも本格的で劇場公開しても全く遜色ない出来である。もっとひどいのが沢山封切られているし、、。制作側もTVドラマ以上、劇場映画より少ない予算で立派なドラマに仕上げている。こうやって縁の下で働く人達が認められ映画界へ進出して行く、その辺りが層が厚いと言われる事になる。
 
何処かの国ではワンクール10話を前後延長で放映は3ヶ月、それを僅か6週間程度で制作しちまうんだからそりゃ大変だ、、着る衣装が変わってしまわないように、、と言う切ない思いもあるようだがやはりそりゃもう無理なんじゃないだろうか、、じっくりと言うより時間に追われてやっつけ仕事、流れ作業じゃ良いモノは撮れない。もっとじっくり時間をかけて劇場公開用にも引けを取らないような制作意識がないと視聴者はついて来ないと思うのはおっさんだけか、、?第一出演者だって何時も同じような顔ぶれ、、まあスポンサー第一主義だからそりゃ全国区で売れた人を確保するのが至上命令なんだが、、。