”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

硫黄島激戦二作品

父親たちの星条旗”に続き”硫黄島からの手紙”、これでクリント・イーストウッド監督による映画は全部見た事になる。この二本も劇場公開時に見るつもりではいたのだが余りにも戦闘場面が激しいと聞いていたので遂に遠慮してしまった、、。案の定、TV画面で見ても目を背けたくなる、、そりゃ本当の戦場はこんなモノではないとは判ってはいるのだが、、。
 
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従って全く予備知識もなく見たのだが見ながら妙な”デジャブ”を、、半分くらい見たところでやっとその理由が判った。こりゃアイラ・ヘイズの伝記モノじゃないか、、その昔、かのトニー・カーチスが61年にモノクロ画面で”The Outsider”(”硫黄島の英雄”)を演じた作品と設定が同じなんだ。要するにリメイクである。
 
アリゾナ出身でインディアンの血を引くアイラ青年は海兵隊所属、硫黄島の激戦で図らずもすり鉢山の頂上で星条旗を掲げてしまう、、。そして戦争の行方、経済に不安を抱えるアメリカ国民の士気を高めようと計画した軍部がこの旗を掲げた兵士たちを英雄として扱って行く、、アイラは全米を英雄として巡回し国民を士気を高めるこの軍部のやり方にはどうにも馴染めない、、現に彼等が戦場から遠く離れているにもかかわらず仲間は今も戦闘中だ、、。そしてその苦悩で悩む姿がメインテーマである。これを61年にトニー・カーチスが演じていたのだ、、。古い方は戦闘場面はそこそこに彼の苦悩に照準を合わせ丁寧に描かれていた。”手錠のままの脱獄”で演技派として認められた3年後、”隊長ブーリバ”でクリスティーヌ・カウフマンに出会う前年で若手ハリウッドきっての人気者、絶頂期の作品だしそりゃ演出も気が入ってた、、。
 
当時とではかかる制作費は比較しようがないが映画の出来から見るとこのトニー・カーチスの演技に軍配が挙がるかな、、映画館の大画面で見ていたら違った印象なのかも知れない。戦闘場面の激しさに途中で出ていたかも、、。
 
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 これがアイラ・ヘイズご本人である。日本人俳優が演じてもおかしくないかな、、。大戦を生き延び、軍に利用され英雄に祭り上げられそれを批判した事で軍との関係は悪くなる一方。戦後、アルコール浸りで保護地区で僅か32歳の若さで亡くなってしまった。映画の題材としては”硫黄島の英雄”とこれ以外にもジョン・ウェイン主演の”硫黄島の砂”(49年)にはゲスト出演までしている、、。