”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ギター”、、原題も”The Guitar”

不思議な映画を見てしまった、、。原題が”The Guitar”、おっさん二人が人生最後にやり残した事をやり遂げる”最高の人生の見つけ方”(07年)の単身女性版と言っても良い映画である。クイーン・ラティファ主演でも”ラスト・ホリデイ”(06年)と言うのがあったがアチラはもうちょっとお笑いの要素があったっけ、、。
 
此方のオープニングはいきなりニューヨークの雑踏をカメラが執拗に女性を追う、その彼女、メロディーが訪れた診療所でガン宣告を受ける、、余命1-2ヶ月、、。その足で仕事先へ行くと今度は4週間分の給料先払いで解雇通告、、すっかり落ち込んで今度は無理やりボーイフレンドを呼び出し打ち明けようとするが何とこのク○・ボーイフレンドからは”暫く距離を置いてみようよ、、”で結局何も話す前にお別れ宣告。全てが半日の出来事でそりゃ彼女はどうしようもなくなる。と出だしは興味津々、果たしてこの逆境をどうする?と見入った、、、。
 
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これが公開用ポスターだが斬新なデザイン、主演のサフロン・バロウスの細身の身体をギターに見立てて意表を突く、、。日本では全く馴染みがない女優さんだが芸暦は長くもうアラフォーに近いがマイナーな映画には数多く出演している。身長が183cmもありモデル出身とか、、決してみんなが認める美人ではないが個性的な顔立ち、見事にアゴが割れている、、。
 
そのメロディー嬢、いきなり新聞広告で見たペントハウスへ、住んでいた半地下のアパートはそのままで何も持たずにさっさと不動産屋と落ち合って契約、見晴らしが良くて広い高層マンションへ。余命いくばくもない女性の心理を上手く表現していてこの辺りまでは映画も快調、、家具も一切なく着るものさえない有様、、この場面はシャワーを出てティッシュやペーパータオルで身体を拭いたりピザ屋のデリバリーにはカーテンを身体にまとったりで画面から眼が離せない、、。
 
そして今度は各種カタログを手に電話をかけまくる。部屋からは一歩も外へは出ずに家具、TV、洋服、食器、、等など全てを揃えてしまう。そのうち荷物配達人や先の女性ピザ配達員ともネンゴロに、、フラッシュバックでどうも子供時代にエレキ・ギターが欲しくて古道具屋の店先から勝手に拝借して来た経路も判る、、だが両親には遂に買って貰えない。
 
大きなアンプを買い込み欲しかった赤いギターも手に入れ集中練習の開始、そうやってカードを使いまくり一切先のことは考えない。果たして余命を宣告されたら誰しも同じような行動を取るだろうか、、家族もいない彼氏もいない仕事もない、、そんな極限状態での彼女の行動には共感出来るのだが、。
 
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この映画でのメロディー嬢、これはガン宣告を受けた直後、失意のどん底
 
映画は一切外出しない彼女と住むアパート内での行動が全て、ピザ配達嬢からはボーイ・フレンドとよりを戻した、配送品運搬人からは奥さんと子作りに専念するんだ、、で二人とも去っていく。
 
そして又、カードを使って買い物を、、ところがカードが全く使用不能に。何で使えないの、、と思って相手に日にちを確認すると余命宣告を受けた2ヶ月をもう越しているではないか。慌てて診療所を訪ねると不思議な事にガンはもう見つからない、、専門医チーム4名が集まり検討するが理由が判明しない。医学では解明出来ない要素、例えば身辺や生活環境の変化が何らかの作用をしてガン細胞を壊した、としか説明出来ない。これは数万件に一つの可能性が報告されている由、喉頭ガンだったのだが出にくかった声もちゃんと出るし本人は至って健康だ。
 
周りの人に抱きつき喜びを爆発させたのもつかの間、先のマンションを家賃未払いで追い出されギターを抱えて一晩を野宿したものの嬉しいのだが今度の生活は想定外、何をして良いのか判らない、急に生きられると確信して又、目標を探すのが大変な事になる。その朝、足は自然とセントラル・パークへ、其処に集まるギター愛好家のグループと初めて出会い誘われるままにギターの演奏を、、そしてそのリーダーに誘われて今度はバンドの一員としてギターを手に新しい人生を始める事に、、でジ・エンド。
 
途中からはかなり無理な設定だし最後の診察結果も釈然としないが何となくこのサフラン嬢の容姿を見る事に終始して見終わってしまった、、と言うなんとも不思議な映画ではありました、、。果たしてこれが自分ならどうするだろう、、、?管理人をほっぽり出して何処かへとんずらするか、、カードは取り合えず向こう一ヶ月使い放題だし、、イヤイヤ、日本男児そんな事は絶対にしないだろう。典型的なA型男児としては、、でも本音は???