”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ビリー・エリオット” VS ”ブラック・スワン”

イメージ 1この男の子、当時14歳で主演を務めた映画は”ビリー・エリオット”である。背景に同じ、”白鳥の湖”が流れる事やバレーを主題にしている事で今年のアカデミー賞、主演女優賞濃厚な”ブラック・スワン”と共通の設定である。
 
ビリーはむしろ正統派、幼い頃からバレーが好きで”女の子じゃあるまいし、、”とオヤジさんからは最初猛烈に反対される。それが段々に周囲も彼の才能に将来性を見出しロンドンのバレー学校へ留学、そして最後にはロイヤル・ホールの舞台に主演として立つ、それを観客席から見るオヤジ、、、感動感激の秀作であった。
 
日本では2002年に最優秀外国映画賞を受賞しているし脚本を含む3部門でアカデミー賞にもノミネートされている。どうも先日見た”ブラック・スワン”がトラウマになっていて昨晩久し振りにビリー君の笑顔、そして周りの暖かい声援と”正統派”根性モノを見たくなった次第である。これでやっと”ブラック・スワン”の悪夢から解放されるぞ、、、そりゃナタリーの演技は素晴らしいのだが、、やはり根性、成功版は此方の方がより感動も大きいし見ていて安心だ、、。
 
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そのビリーを演じたジェイミー・ベル君、現在24歳、デビュー作が余りに強烈で印象が深かったのでその後が心配されたが大作”キング・コング”(05年)や”ジェーン・エア”(11年)など順調に映画に出ている。そろそろ又、代表作となるような主演作に巡り合う頃じゃないだろうか、、。
 
ブラック・スワン”だってやはりプリマドンナを目指し日夜努力、、練習、練習、オーディションで舞台監督には気に入って貰わねばならない、、”白鳥”は自信一杯に演技出来るし監督の評価も素晴らしい、だが”黒鳥”を演じるのが大変で、、それがタイトルにもなっているのだがどちらかと言うと複雑に絡み合うプリマ独特の世界、、それを難しい映像で細やかに描いたのだが、その点ビリー君はオトコだし話は簡単だ。複雑な人間関係もなくただ努力してその才能を開花させるだけ、、バレー学校へ入学してからの苦労話は出て来ないがクライマックスはやっと主演に抜擢され初舞台を踏むところでThe End。
 
イメージ 3仮に今年両者がガチガチ対決だったら一体どんな評価になるのだろう、、。方や典型的なイギリスの田舎、ヨークシャーを舞台に時代は84年、厳しい生活環境のなかでバレーに目覚めた青年対独り立ち一歩手前のプリマドンナ、現代のニューヨークで主役の舞台を目の前にして、、。
 
こりゃ評価が分かれるだろうな、、一つ言えるのは評論家諸氏はどう思うか知らないが一般大衆映画ファンは圧倒的にビリー君の映画に喝采を送るのではないだろうか、、。もし来年、日本で最優秀外国映画賞を”ブラック・スワン”が受賞したら、、もう映画を見るのはやめよう、、。