”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

ナチの秘密に迫る映画三部作

別に映画会社やメディアが決めた訳ではないのだがこのナチの残党を追う、或いは秘密に迫る映画が3本ある。全部70年代なのだが、、、それなりの展開でドレもミステリー好きには堪らない程素晴らしい出来だ。
 
 
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これは若きジョン・ヴォイドがジャーナリストに扮して”オデッサ・ファイル”(74年)と呼ばれるナチの秘密に迫る映画である。
 
自殺したユダヤ人、爺さんの残した日記を読んだピーターはSS出身と言うこの爺さんの日記の真意を確かめる為に秘密組織へ潜入する。そこでオデッサ・ファイルなるものの存在を知りその隠された野望を探る羽目に、、。イスラエル諜報機関も登場して来てそりゃ最近のCG満載、全編これアクションって訳じゃないが70年代の映画としては抜群の出来である。原作通りプロットが良いので最後まで息をつかせずハラハラドキドキ、、。
 
共演はマクシミリアン・シェルで若きジョン・ヴォイドが熱血感ジャーナリストを好演、何と言っても原作がフレデリック・フォーサイスなので目が離せない展開である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 2これはファンには忘れられない有名な拷問シーン。ハゲのおっさんがサー・ローレンス・オリビエで苦しそうに口を開けているのがダスティン・ホフマン、、セリフは”Is It Safe?”、これを何回も何回も繰り返す、、。
 
そして映画は”ラソン・マン”(76年)である。
ローレンス・オリビエは南米に逃げた元ナチ将校でゼル、ダスティン・ホフマンはマラソンが趣味の大学生、そして彼の兄貴で秘密諜報部員がロイ・シェイダーだ。
 
捕虜収容所で歯医者を務めていたゼル、今は南米へ逃げて悠々自適な生活をしているが彼には秘密が。収容所でガス室送りになる前のユダヤ人から金歯を取りそれをダイヤに換金しては密輸入し莫大な財産を隠し持っている。その秘密が暴かれそうになり止む無くニューヨークへ、それから一転二転の展開でこれがゼルに捕まったトム君、ダイヤ隠し場所を言えと拷問を受けるシーンだがこりゃローレンス・オリビエの独壇場、誠に怖い。しかもその”ダイヤは何処にある?”じゃなくて”無事か?”とだけ聞いて来る、、このシーンがトラウマになっていまだに歯医者は嫌いだ、、、何か”Is It Safe?”と聞かれそうで、、、。
 
イメージ 3三部作目はこれ、グレゴリー・ペックが珍しく悪玉を演じた映画”ブラジルから来た少年”(78年)である。
 
原作はアイラ・レヴィンが書いたベストセラーでこりゃすこぶる付きの面白さだ。
 
何と今度は先の悪玉を演じたローレンス・オリビエがげっそり痩せた姿で善玉を演じる。
 
アウシュビッツ収容所で死の天使と言われたメンゲレ博士が、ナチスの残党と共にある計画を発動した。それは、アメリカとヨーロッパにいる、94人もの人物を殺害する、というものだった。そしてそれは、ナチスの復活を告げる悪魔の計画でもあった、、でそのメンゲレ博士をグレゴリー・ペックが演じるのだが世界中にヒットラーの遺伝子を使って同じような環境で同じ子供を育てて行くと言う怖いおハナシ。本人の環境と同じように父親を殺害していくのだがこれが先の94人である、、そして環境を整え性格も同じように、94人のヒットラーを生み出し世界に君臨していく構想だ。
 
以上がナチ残党を描いた三部作なのだが全て70年代に作られた映画、もう30年も前に制作されたものばかりで当時は戦後30年、まだ本当にナチの残党が徘徊していて南米にも隠れていると信じられていた。