”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ロスト・イン・トランスレーション”

邦題もそのままらしい、、何でこうなるんだろう??こうやって英文を固有名詞化してタイトルにするかな、、まあ時代がそうらしいがこれじゃ何の事か判りゃしない。昨今は情報過多なので別にタイトルの意味は判らなくてもその響きが今風であればそれで良いって事である。 
 
トランスレーションとは直訳すれば翻訳なのだがこの場合は感情描写、その最中に自己を見失う、って意味なんだな。自分探しの渦中って事になる訳だ。
 
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新宿を舞台にした2003年のソフィア・コッポラ監督作品で全米を初め各地では賞賛を浴びた作品である。何故かこれまで通して見る機会がなく3回くらい途切れ途切れに見ているのだが今回初めてタイトルロールから見始めた。
 
絶頂期を過ぎたハリウッドの俳優、ビル・マレー(ボブ・ハリス)がサントリー・ウィスキーのCF撮影で日本へやって来る。撮影現場にはナンともトンチンカンな通訳しかおらずどうにも意思の疎通が上手く行かない。宿泊先の新宿のパーク・ハイヤットでは時差のせいか夜も眠れず悶々とする毎日。そんななか同じホテルに宿泊しているスカーレット・ヨハンソン(シャーロット)と出会う。彼女は新婚2年目、カメラマンの夫の仕事で来日したのだが夫は毎日仕事で忙しく構って貰えない。日中はやる事のない退屈な毎日、本国の家族に電話しても涙がこぼれるだけ、、、。
 
そんな親子ほどにも年が違う二人が出会って互いの環境、まさに孤独に落ち込み自己を見失った出口のない日々に幾らか光が差すようになるのだが、、。
 
別れありきの不毛の筋書き、ビルには今は決して睦まじいとは呼べない奥さんもいるし子供もいる、、この辺りの彼の感情表現は素晴らしいのだが。舞台になっているホテルが全面的に支援しているのだが冒頭、ホテルマン・ウーマンの対応を見ていたら何となく白けて来た、、同じホテル屋として撮影現場として場所を提供しながら営業をしていたのかと考えたらゾッとした。しかもロビーや壁や廊下の補償や照明の電源確保に撮影隊への部屋提供から食事等など、、そりゃ一旦撮影現場となったらもう凄まじい事になる、、そこまで考えたらもう映画どころじゃなくなってしまったと言うのが本音である。 CFの撮影現場での対応など見所は沢山あるのだが、、、そうそうこのスカヨハが苦手なんだ、、それに監督も、、、。やはりこの手の不毛の愛を描かさせたら欧州の監督には太刀打ち出来ない。
 
結局消化不良を起こしてこの後に”シェナンドー河”、を見てしまった。