”ファミリー・ツリー”と来たか、
原題は”The Descendants”(末裔とか直系子孫、、由緒ある、と記載)が邦題”ファミリー・ツリー”となっている。最初はクリスマスやスカイ・ツリーに引っ掛けたような気がして”うーん、、”と思っていたのだがまあそれなりに表現しているかな、”ザ・デセンダント”等と訳の判らない邦題にされるより良かったぜ。

今年のオスカーには多数ノミネートされ評論家諸氏にはすこぶる評判が良いしジョージ・クルーニーがこれまでに演じた役柄とは大分違う、。
ハワイを舞台に”家族愛”を描いた映画、、と言えば良いのか舞台設定は別にして世のおっさん世代、どうも我が身をこの主人公に置き換えて”自分ならどうする??”と問われている気分になってしまう。ハワイを舞台にした映画はこれまでに数知れず制作されているしその背景、風景も魅力一杯だ。やはり腐ってもハワイ、、この雰囲気は幾ら気候的には近いオーストラリア北部でも絶対に勝てない。やはりこれが文化なりいたるところで聞かれるハワイアン・ミュージックの魅力なんではなかろうか、。強いて言えばそれが”The Descendant”と言う事だろう、。
映画はハワイで弁護士をやっているマシュー(ジョージ・クルーニー)、代々広大な土地をご先祖様から受け継いでいて一族郎党のまとめ役だ。その彼の奥さんが突然のモーターボートの事故で植物状態、それまで一切家庭の事には振り向きもせず忙しく働いていたので10歳と17歳の娘の事が何も判っていない。下の娘は一体毎日何をしているのやらどんな生活態度なのかも知らず、上の娘は寄宿舎に入っていて此方も問題おおあり、、しかも17歳のアレックスはママと派手な喧嘩までしていて症状を聞いても素知らぬふり、、しかもその原因を問い詰めると”ママは浮気してたのよ!!、、”だ。こりゃ困ったマシュー君、、、其処からハワイを舞台に家族愛を見詰めながら一家が又、家族として復活して行くサマを描いた映画である。
さほど強烈な”山あり谷あり”の展開にはならないがじっくりマシュー君を描き、要所では彼のナレーションが重なって彼の苦悩する姿が程よく描かれている。ふとケヴィン・コスナーが元プロ野球の選手を演じた”ママが泣いた日”(”The Upside Of Anger”)と言う映画を思い出した。此方はシングル・マザーのジョーン・アレンと娘3人を描いた映画でご主人がある日何の前触れもなく秘書を駆け落ちして行方知らずになる映画、、隣人として越して来たケヴィン・コスナーとの交流がとても素晴らしく一家が又、よりを戻す姿を上手に描いた秀作であった。
双方負けてないぞ、、、個人的にはアッチの方がゴール鼻の差??そりゃ娘3人の方が2人より有利か、。