”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ページ・エイト”

イメージ 1こんな映画を探してた、、クリスマスイブに出合えたじゃないか。一言で言えば”スパイ・ドラマ”しかし拳銃は一切出て来ないし追いつ追われつのカー・スタント、壮絶な戦いもマッタクない。
 
主演はビル・ナイ(ジョニー)とレイチェル・ワイズ(ナンシー)のイギリス映画、TV用に撮られたものらしい。このビル・ナイはこの演技で今年のゴールデン・グローブにノミネートされている。日本では知名度が低いが”ラブ・アクチュアリー”で演じた老年ロック歌手が脚光を浴びた、以降とっても気になるおっさんである。
 
映画ではこのおっさん長年MI5に勤務する”スパイ”である。ある日、上司で親友のベネディクトに呼ばれ渡されたのは”極秘ファイル”、その内容の真意を探って欲しいと頼まれる。そして大臣級の閣僚が参加した会議で担当大臣から”アンタらMI5は政府の見解としてワタシに何をさせる気?”と問い詰められる。そしてこの映画のタイトルが、、、そうその極秘ファイルの8ページ目の下段にヘンな記載がある事をジョニーが指摘する。そこには”上記情報は英国側上層部には認知されている、、”とある。
 
ようするにこの極秘情報(何かは不明)の存在は英国側のトップも知っている事である、、と言う事だ。面白くないのはこの担当大臣、、自分には一切知らされていない、、って事は自分より上層部と言う事は首相しかいないじゃないか、。大臣はこの情報の出所を言うようにベネディクトに迫るが彼は自分の情報源を守る為に何処から入手したのは喋らない。ジョニーの勧めもあって人払いをして大臣には当分何もしないように釘をさされる。
 
そしてジョニーが単身この真相を探るべく深く潜航するのだが、、、怪しげなアパートの隣人、ナンシーが登場、急接近して来ると思いきや今度はたまたま彼女の所に遊びに来ていたボーイ・フレンドに尾行されているような、、それと離婚した奥さんが実は今では親友で上司のベネディクトの奥さんだったり、、そして間もなくそのベネディクトが死亡、、益々何が何だか判らなく混沌として来る。全編一切拳銃を発砲する場面もないしひたすらセリフで解説されるマインドゲーム仕様だ。
 
こんな映画に救われる、、そりゃドンパチは見るほうは楽だしアタマを使う事もない、、しかしこの手の映画は各自のセリフをじっくり聞き何がどう進んで行くのか判っていないと一寸先は真っ暗闇だ。ちょっと目を離すともう展開が見えなくなる、、そんなで最後まで引き付けられた。最後は重大な秘密が暴露され英国首相がテレビ会見で謝罪させられる、、、誰も撃たれず殺されず、、ジョニーは画家の娘が書いて今では高額取引されている絵画を画商に即金で売りそれをビニールのショッピングバッグに無造作に入れたままで北の何処かに向かって飛ぶ飛行機に乗って去っていく、、素晴らしい後姿のジョニー、、こんな映画は絶対にアメリカでは出来ないぞ。