”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”フライト”、アル中ワシントン、、

イメージ 1今年のオスカーで主演男優賞にノミネートされたものの残念ながら”リンカーン”、ダニエル・デイ・ルイスに持っていかれたデンゼル・ワシントンが主演、FOXの有料配信が解禁され昨晩メシも食わずにTV画面へ、、。
 
映画館で見たかったと言うのが最初の印象、この映画どうも主役の演技だけに評判が行き過ぎているような、、総体的に映画として素晴らしいものがある気がする。まあノミネートされたのが”アルゴ”や”レ・ミセラブル”、、などで出る幕は無かったのかな、、でも”ジャンゴ”と入れ替わっても良かったんじゃないか。
 
コミューターのウィテカー機長を演じるのがデンゼル・ワシントン、もうのっけからアル中、乗務日だと言うのにホテルの部屋には酒ビンが転がり意識朦朧の有様、おいおいこれで運転するのかい?と言う感じの出だし。フロリダのオーランドからアトランタへの短いフライトだがコクピットに入り悪天候のなかを離陸、乗客に機長のご挨拶をしている間にウォッカのミニボトル3本をオレンジジュースに注ぐ始末。こりゃダメでしょ、、、でも空軍在籍中から優秀なパイロットだったって事が判るが完全にアルコールにドラッグ漬けの機長さんだ、。
 
そんな機長さん、後20分でアトランタ到着と言うのにコパイロットが突然操縦機が動かないと騒ぎ出す。上昇する機能がすっかり失われジェット機はひたすら下降を、、。そしてウィテカー機長の腕のみせどころ、、機体を逆さまにし背面飛行、空港手前の空き地に何とか胴体着陸、乗客4人とクルー2名を亡くしたものの他の100人以上の乗客は無事、機長自身も大怪我を負うがこんな非常時に乗客を救った英雄として報道されてしまう。
 
後日運輸省、航空機事故調査部の調査、早い話、機長の血中アルコール度が異常に高い事が判明したり事故の残骸からウォッカのミニボトルが2本出てきたりでそこからは焦点は果たして機長には運転、判断能力があったのか?とお話は進んでいく。しかしあの状況下、シミュレーションで他のベテラン機長に同じような設定で航空機を操縦させてみるが全員が墜落、全員死亡との結果、ではウィテカー機長の場合、血中アルコールは操縦に何の障害も起こしていなかったという事になるのか、、。
 
基本的な筋書きはこれに尽きるのだが諮問調査委員会に召集される寸前まで飲んだくれのウィテカー元機長、この辺りはやめたくてもやめられない、、そんな姿をデンゼル・ワシントンが存分に見せてくれる。これが”演技”なのか果たして本当に飲んだくれているのか、、判断がつかないほどの渾身の演技だった。映画としても過小評価じゃなかろうか、、原作がある訳ではなく映画化に書き下ろされた脚本、これが又、素晴らしい。
 
じっくり画面からお酒を味わわせて貰った2時間である、、映画のせいか気が付いたら昨晩は一滴も飲まなかったよ、、”リンカーン”をまだ見ていないのでダニエルとデンゼル、、果たしておっさんの軍配はどちらに上げるか判らないがこの映画はデンゼル・ワシントンの代表作になる事だけは間違いなし!!