”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

サンドラ”万歳”ブロック

しっかり3D、大画面、大音響で見ました、”ゼロ・グラビティー”、素晴らしい映画、そしてその映像体験は決して忘れられないものになるだろう。これが昨日見た総評である。淀川先生にも是非見て欲しい、、果たしてどう論評されるか、。
 
確かに見る前からかなり入れ込んでいたのでこの評価も当然と言うか自分でも結論ありきの感じもするのだが、、現に奥方は”何が良いのか判らないわ”、、これがエンド・ロール後、開口一番言い放ったお言葉、、ワタシは返す言葉もなく感激に声も出ないと言うのに、、かように女性とおっさんとは世代が同じでも映画から受ける影響、感性がこれ程に違うのだ、例え30年以上も同じ屋根の下で暮らしていても、、、。
 
映画はのっけから大宇宙の空間、背景には青く燦然と輝く地球が、、船外作業にあたるライアン女史(サンドラ・ブロック)とコワルスキ(ジョージ・クルーニー)、思いがけない宇宙ゴミの襲来事故でトンでもない事に、、お話はそれだけ。しかも登場人物は全編この二人っきり、、それで1時間半、何も他の事は考えられずひたすらスクリーンに没頭、気が付くと何処をどうやってこんなに素晴らしい映画になったのかエンド・ロールを見ながら余韻に、、。我ら素人がごちゃごちゃ言うのは失礼だ、、先ずは本編を是非に映画館の大画面でとくとご覧ください。
 
同じような宇宙空間でのパニックはロン・ハワード監督でトム・ハンクス主演の秀作”アポロ13”(95年)があった、あの映画が一番この”ゼロ・グラビティー”に近い存在か。アレも今回と同じくヒューストンの管制官エド・ハリス、、今回は声だけでの出演ですが、、。そして恐らくこの映画、主演のサンドラ・ブロックのオスカー候補は間違いないだろう、、しかもかなりの確率で主演女優賞は彼女に、、、監督、作品、撮影、音楽、、などもかなりの確率で”アポロ13”と同じように間違いなく候補となるだろう。向こう2ヶ月でこの映画を越す作品が出て来るとはとても思えないし過去10ヶ月でもこんな秀作はなかったぞ、、。
 
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それにしても”スピード”で注目を浴び、どちらかと言うとコメディアンヌ的存在だったサンドラが”しあわせの隠れ場所”(09年)で一躍演技派へ、、そしてオスカーも受賞し頂点に立ったのだが、、これで再度挑戦じゃないのかな、もう49歳になるのだがそんな事は一切関係ない、、とてもそうは見えないしこの作品で女優人生は完全に開花した。見事な映画に素晴らしい女優さん、、この一言だ。
 
何処にでもいる”お隣の女優さん”と言う庶民的な雰囲気がこれまでの売りだったのだがこれで一皮も二皮もむけたような、、演技派として脱皮したサンドラに今夜は乾杯です。
 
 
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制作前にはナタリー・ポートマンも主演候補としてあげられていたそうだが出来て見ればこれはサンドラの映画、100億円を投入して制作され既にアメリカ国内だけで興行成績は優にこの倍以上とか、、登場人物はこの二人だけ、、しかも宇宙空間とあって撮影現場は特殊な”箱”の中、、後はCG技術満載だが本物の宇宙飛行士がこれを見て”100%納得”したそうな、、監督のアルフォンソ・キュアロンはメキシコ出身、これまで”ハリポタのアズカバン”を撮っているがそれ以外ではメジャー作はない、それが自身もプロデューサーとして資金調達から配給権交渉、その他全てをこなし監督まで、、舌を巻く活躍ぶりだ。
 
見る側としては”多分宇宙はそんな状況なんだろうな”と想像するしかないのだがこれ程に事実に忠実に、臨場感溢れる映画作りが成功した数少ない例かも知れない。何年後かには宇宙を舞台にした映画として映画史に燦然と輝く作品の一つになっている事は間違いないだろう、。
 
やはり映画館での大画面、大音響、、、それに何にも邪魔されずに他の観客と共用する鑑賞時間、これは例え自宅にどんなに大きな画面のテレビがあってもかなわない、特に”ゼロ・グラビティー”に関しては絶対に映画館だ、、、。