”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

新旧”ジャンゴ”比べ

古い”ジャンゴ”は完全なるマカロニ・ウェスタン、制作されたのは66年で主演のDjango(Dはサイレンス)、ジャンゴを演じたのははフランコ・ネロだった。
 
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ジャンゴが荒野を棺おけを引っ張って歩く姿がオープニングだったのだが、、後はうろ覚え、見た記憶はあるのだが内容は全く欠落している。
 
そのジャンゴがタランティーノ監督により現代に甦ったのが昨年の”ジャンゴ・繋がれざる者”だった。タラちゃんの映画は92年の”レザボア・ドッグス”以降”パルプ・フィクション”(94年)、”ジャッキー・ブラウン”(97年)、”キル・ビル”シリーズ03,04年、それに”イングロリアス・バスターズ”(09年)まで”デス・プルーフ”以外は全部見ているのだが、、。
 
この”ジャンゴ”は余りに殺しの描写が凄いと言うので結局映画館にも行かずずっとそのままだった。それがやっと有線放映で解禁になったので意を決して見る事に、。
 
イングロリアス・バスターズ”別格の演技をしたクリストフ・ヴァルツが演技ではすっかり主演のジャンゴ、ジェイミー・フォックスやデカプリオまでを食ってしまった感がする。しかしのっけから血みどろ、、拳銃で撃てばあたり一面血みどろだしそれも又、有無を言わさずさっさと撃っちまう、、まさに撃ってから聞く、と言う印象で全編これでもか、、の血祭り合戦。しかも主役にはタマはかすりもしない、。本筋はそんな派手な描写だけが監督の主旨とは違うのだがこうもバキューン、バキューンとやられると此方の思考能力が萎えてしまい何を言わんとしているのか何を表現しているのか、、はっきり言ってもうついて行けなかった、、。
 
61年に制作された黒澤監督の”用心棒”、、凄まじい殺陣のシーンで切り落とされた腕を野良犬がくわえて去っていくと言う衝撃的なシーンや切られた箇所から血しぶきが上がるのには驚いたものだ。半世紀以上が経過してタラちゃんはこの手法をかなり継承していると思わせる。先の”キル・ビル”でも刀を使ってのそのまま同じようなリアルな手法だったし撃ち合いの場面はもうこれ以上過激な表現のしようがないくらいだ。
 
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新作”ジャンゴ”は奴隷としてチェーンに繋がれ集団でトボトボ歩かされている所へ現れたドクター・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)がジャンゴを払い下げて連れ去って行く場面から始まる。シュルツは南部を股にかけて旅する賞金稼ぎだ。元は歯医者らしいがある高額賞金を狙っておりその人物に会えば判別出来ると言うジャンゴを仲間に引き入れた訳だ。
 
それから暫くの間、ジャンゴには自由を与え腕利きガンマンとして育て二人三脚で狙った獲物は必ず仕留めると言う稼業に精を出す事にそしてかなりな賞金を稼ぎ出す。しかしジャンゴには違う思惑が、、。
 
奴隷市場で離れ離れになった妻を探し出し連れ戻す事が彼の秘めた決心なのだ。その救出作戦にシュルツを利用しようと言う事で後半はその悪代官のデカプリオ様の待つお屋敷へ乗り込んで行くのでありました、、。
 
そのお屋敷で番頭さんを演じているのがサミュエル・ジャクソン(最初は誰か判らなかった)、ごまんと居る彼の手下や用心棒を相手に”奴隷の売買交渉”との名目で来たのだがその番頭さんに彼らの目論見が見破られてしまい其処からもう天地がひっくり返る程の大銃撃シーンの連続だ。たった二人対敵はもう数えられないほど。
 
全編165分とか、、それって2時間45分って事じゃないか??長かった、、途中で又、何処かへさまよっていたような気もするのだが、、最後にタランティーノ監督とお仲間がオーストラリア人に扮してご登場、オージー訛りで愛嬌を振りまくのだがこのシーンは余計だと我が敬愛する評論家先生のデイビット・ストラットン氏が憤慨されていた。彼の登場と言い回しで☆の数が一個は減ったそうな、、、まあおっさんはどっちでも良いのだが、。