”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ルパンの消息”とジャック・テイラー

題名が気になって思わず買ってしまったDVD、まあ原作が横山秀夫とい言う決定打があったのだが、、それにしてもWOWOWが単独制作でこんな優秀なドラマが作れるのにかの国営や民放は何をしているのやら、。
 
別に”ルパン三世”のファンでもないのだがこのタイトルは横山秀夫が最初に書いた長編小説で08年に映像化されている。無論劇場公開用ではない2時間枠の作品で公開当時もすこぶる評判が良くDVD化されてレンタルや販売もされているそうだ。
 
「15年前の起きた女教師の自殺は,実は殺害事件だった。」警視庁にもたらされたこの1本のタレ込み情報により,新たに捜査チームが結成され,元警視庁捜査一課の溝呂木(上川隆也)が指揮をとることになった。溝呂木は,戦後最大の事件とも言える「三億円事件」を時効で迎えた苦い経験があった。時効まで残り24時間,執念に燃える溝呂木は当時の女教師の生徒や同僚教師を調べるうちに,思わぬ事件との関係に気づくが… by Amazon
 
と、決して派手なアクションがある訳でもなく大掛かりなロケを敢行している訳でもない、むしろ画像は取り調べ室と警察署内が中心、、それとタイトルに使われている”ルパン”と言う喫茶店内、などなど、。でも最後まで緊迫した展開で一転、二転、、3億円事件の容疑者を時効で追い詰められなかった刑事の苦悩、、そして又、時効を迎えようとしている殺しの真相と真犯人を追う焦り、15年前に時効を迎えた3億円事件が頭から離れない。
 
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先に映像化を見てしまったがこれは原作を取り寄せて読んでみたいと思わせる出来だ。既に一連の横山作品は”第三の時効”を始めF県警強行犯シリーズは全部網羅しているのだがどれも素晴らしい出来だった。”半落ち”や”クライマーズ・ハイ”などの劇場用映画はリアルタイムで見たし、DVD化されているものは集めてある。
 
昨年7年振りに刊行した”64”(ロクヨンと読むらしい)がベスト・セラーになり13年度の本屋大賞2位、週刊文春ミステリーで1位になったとか。こりゃ早速手配せねば、、、
 
『警察発表』に真実はあるのか
<昭和64年>に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件をめぐり、刑事部と警務部が全面戦争に突入。狭間に落ちた広報官・三上義信は己の真を問われる。怒濤の展開、驚愕の傑作ミステリー! だ、そうな、、こりゃ楽しみかな?
 
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此方も間違いなく近い将来、映像化されるだろう、、イヤもう企画段階か?各テレビ局が水面下で交渉中か、、?
 
佐々木穣も警察内部を描いた小説を多く出版しているし逢坂剛にはちょっと異色な推理小説が多くある。その他にも女流作家がいるし海外の翻訳ものばかり読んでいる訳にはいかないぞ、、映画に読書に益々忙しい、、。
 
ジャック・テイラーは以前にも書いたのだがアイルランドは西海岸、ゴールウェーに住む私立探偵だ。市街地も含めて僅か72、000人の人口しかない港町なのだがそこで起きる事件解決に向け”ハード・ボイルド”な活躍をする。
 
元は”ガード”と呼ばれる警察の刑事だったのだが上司と衝突、やむ無く”個人商店”を開業したって事だ。上記日本のドラマと同じように劇場公開はされないTV用2時間枠の映画として本国で公開されその後DVD化されて各国で販売されている。全シリーズ5話あるのだが昨晩見たのはシリーズ3本目の”マグダデン・マーティーズ”、、、固有名詞だと思ったらどうも”教職者が主宰する売春更生施設”の事らしい、、。そしてこれが又、素晴らしいドラマに仕上がっている、、、。主役のジャックを演じるのはスコットランド生まれのイアン・グレン、、昼間っから”探偵はバーにいる”状態でバーが事務所、、そんな雰囲気だがすこぶるハード・ボイルドな展開だ。
 
イメージ 3これは全5作品が収録されたDVDのカバーだが、フェイスブックや感想欄には殆どのファンが高い評価を下している。これも派手さはないしアクションもそれ程ない、、事件の関係者に当たり色々聞き出して推理を働かせると言うものなのでうっかりすると聞き逃す、、しかも強いアイリッシュ訛りなので、、こんな時に英語の字幕があればな~、、とつくづく思わせる。
 
今回はある依頼人がやって来て自分の母親の死について調べて欲しいと頼む、、それも50年も昔の話、、。アイルランドの港町が舞台で寒そうだが魅力的な背景、ジャックは依頼を受けてその母親が娘に残した”黒革の手帖”を読むうちに謎が謎を呼び、、余計な殺人まで起きてしまい大変な事件に発展して行く、、。
 
今回奇しくも”和洋”推理ドラマを見比べる結果になったがどっちもどっち、、甲乙付けられない、CG不要、カーチェイスや殴り合いや銃撃戦も要らない、、素晴らしい原作と脚本があれば2時間を忘れさせてすっかり夢中にさせる優秀な作品が作れるって事を証明してくれたようなもんだ、、。此方のシリーズも又、近いうちに新作にお目に掛かれますように、、と期待しておこう、、。