”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”キャスト・アウェイ”(00年)

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このタイトルバックは映画の終盤、トム・ハンクスが交差点の岐路に立ち、されこれからどっちの方角へ向かうか、、と思案する場面である。上部に映るトラック仕様の車両が違うのだがこの最後のショットにこの映画の全てが集約されていると昨晩久し振りに見ていて気が付いた。
 
トム・ハンクスはこの年”ゴールデン・グローブ”では見事主演男優賞を受賞したのだが”オスカー”は”グラディエーター”のラッセル・クロウに持って行かれた。今、改めてみるとそりゃ”グラディエーター”はハリウッド好みの史劇大作だが主演男優はトムくんでも良かったんじゃないかな~、、とこれは再見した結果である。
 
劇場公開時にしっかり見ているのだが余りに過酷な無人島生活が悲惨で最後に隠されたゼメキス監督のメッセージを読み違えていた。そう言えば実在のクリエー会社が全面的にスポンサーにもなっているのだが企画の段階でその肝心の貨物運搬機を海上に墜落させる事を了承した度量の広さにはビックリした。
 
94年にゼメキス監督&トム・ハンクスがタッグを組んで”フォレスト・ガンプ”を撮っているのだが6年後にこうして又、素晴らしい映画を完成させた。つい最近トム・ハンクスは”デイズニー役”でエマ・トンプソンと共演しているが振り返ると92年の”プリティ・リーグ”、翌年の”めぐり逢えたら”、”フィラデルフィア”、”フォレスト・ガンプ”、、”アポロ13”に”プライベート・ライアン”、”グリーン・マイル”、、、、”ダヴィンチ・コード”それの続編、と秀作、名作に出演している。
 
しかし彼のフィルモグラフィを良く見るとプロデューサーとしての活躍がこれまた素晴らしい、、これは02年に奥さんの助言で加担した”マイ・ビッグ・ファット・ウェディング”の世界的大ヒットが引き金になっている事は誰もが認めるところだ。ギリシャの舞台劇(コメディ)を奥さんのリタ・ウィルソンと観戦、それの映画化に乗り出し僅か制作費5億円で世界中から回収した収益が400億円と言う天文学的ヒット作品に化けた。世界中に散らばるギリシャ系移民のほぼ99%が見ているだろうと当時推察されたものだがオーストラリアでもギリシャ系は多く、既にDVDのレンタル屋がいたるところにあったにも関わらず長期ロングランを続け半年くらいはあっちこっちの映画館で上映されていた。
 
こうなったらもう普通の俳優業はやめてもおかしくないのだがそこが違う、今年もまだ一線に立ち”キャプテン・フィリップス”で堂々オスカーにノミネートされている。デビューした頃はアメリカ人好みの”好青年”と言う印象だったが近年は苦悩する役柄が多い。アクション系やべったり甘い恋愛映画よりやはり内面の苦悩を演じる役柄が似合うのかも知れない。
 
この”キャスト・アウェイ”では過酷な無人島生活を4年続けやっと本国へ帰還、そこで婚約者だったケリー(ヘレン・ハント)を訪ねるのだが既に彼女は結婚していて子供もいる、そこに”ひまわり”畑があると違う映画になってしまうがこの映画の主人公は潔く自分から去って行く、、、あっ、、あっちの映画もそうだった。
 
そして最後、自社が配達を請け負った薄いダンボール箱を4年越しに届ける為に車を走らせる。住人不在で手書きのノートを書き戻るところでこの四差路へ、、さてどちらへ向かうか地図を掲げていると先ほど届け物をした家の住人とおぼしき赤毛の美人がトラックで通りかかる、、”どうしたの?どう見ても道に迷っているようね?””うーん、そうかな?”そしてその4差路の説明をしてくれる、、これが単に道の説明ではなくこれから彼の進むべく進路を示しているようで”そうだったのか、、なるほど”っと思わず膝を叩いたのでした、。
 
しかしこの映画、字幕担当者は楽だったろうな、、、劇中殆どが彼の独り舞台、そりゃ呟きや悪態はついたが所詮独り言だ、、これならオレにも出来るぞ。戸田先生さま、、、どうですかぁ???