”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ジャージー・ボーイズ”(14年)

この映画は予告編を見た時から見たかったのだがやっとその思いが昨日叶った。土曜日の昼下がり、嫌なことを放り出して映画館へ、、、窓口でシニアーカードを出して、、”Can You Guess Which Movie I Came To See??"(何が見たいか判る?) と売り場のおねいちゃんに聞いてみた。これが日本だったら”ナニさこの変なおっさん、、そんな事、判る訳ないじゃん!”とでも言われるかなと一瞬頭をよぎったが、、ナンと”Jersey Boys??”と返事が返って来た。嬉しいじゃないですか、、もう映画を見る前から気分が良くなっちまった。こんなアホな事を聞くオリエンタルがそんなにいる訳じゃないとは思うがこの対応は絶対にマニアルにはないぞ。
 
そして劇場内へ、、開演5分前、、おお~、、どんどん入って来るよ、、しかも一番若い観客が40-50代??圧倒的に妙齢のカップルばかり、、始まる頃には殆ど満席状態じゃないか。こりゃ監督のクリント・イーストウッド世代だな、、それにフランキー・ヴァリとも世代が重なる。何せ二人合わせて160歳を超える、、フォーシーズンズのメインボーカルとして活躍していたのが60年代、、確かにビートルズの時代と完全に重なるのだがアメリカでのその人気は絶大なモノがあった。
 
イメージ 1
恐らくリアルタイムで見たり聞いたりしていた世代としては我ら還暦組みが一番若いのかも知れない。映画の舞台はニューヨークのお隣ニュージャージー、、時代は50年代後半に始まる。イーストウッド監督お得意の手法でさりげなくこの良き時代の街角やクルマ、ファッションを見せてくれる。
 
実は多くのミュージカルが映画化されるにあたってブロードウェイで上演されて成功、、、と言うケースが一般的だ。この”ジャージー・ボーイズ”もご多分に漏れず04年に始めて上演されている。その後小規模なライブで上演され続け全米を、、この辺りは実際にフォーシーズンズとして活躍した彼等と同じ経路を辿っている事が面白い。リアル・ライフとこの全米を回ったミュージカル舞台とが完全に一致していると言う訳だ。
 
リアルタイム組みとしてはこのフォーシーズンズ、当時は流行った曲や全米トップになった曲は知っているのだが肝心のフランキー・ヴァリを始めメンバー彼等の経歴や素顔が報道される事は一切なかった。そんな事もあり今回映画を見て始めて、、”そうだったんだ~”と頷くシーンが数多くあった。
 
彼等4人組の葛藤、、どの伝記映画でも登場するドラッグや酒絡みは殆どない。そりゃまあ時代が時代なので喫煙シーンは多いし、歌手のクセにタバコを吸いながらレコーディング、、何て描写もある。この辺りは先日のイーストウッド監督のインタビューで”やりたくなかったんだがこの時代、やらない方が不自然だった”と監督自身が述べている。映画ではチンピラ時代を経て結成、ヒット曲に恵まれずレコーディング会社を訪ね回ったり、町金融から借金を重ねたりと苦悩の連続、大ボスのデカルロ(クリストファー・ウォーケン)がバックにいるものの一向に改善されない下積み時代、そして最初の爆発的ヒット曲、”シェ~~~リ~♪♪”をもたらすのは何時か何時かと観客に期待させるイーストウッド監督、、、そしてやっと大爆発だ。
 
特筆すべきは主演のフランキー・ヴァリを演じた新進俳優のジョン・ロイド・ヤング、彼は舞台でも同役を演じているし実際に歌も自身の声だそうな、、4人全員が画像に合わせてスタジオで収録、それを実際に映画に使っているそうな、、ホンモノのフランキーには申し訳ないが歌も演技も完全に本物を超えていたのではないだろうか?映画の公開が春から夏の間なのでオスカー戦線には不利かも知れないが来年のオスカーにノミネートされてもちっともおかしくない。
 
映画は終盤、一人離れ一人離れと4人組がバラバラに、、そんな時代でもフランキーだけは単独で違うコーラスバンドを抱えひたすらステージに立つ決心を、その彼に置き土産として送られた曲が”君の瞳に恋してる”、最初は3人編成のバンドをバックに静かに歌いだす白いタキシード姿のフランキー、、そして一転2小節目にバックステージの緞帳が開け一挙にオーケストラ編成のバンドが登場、、、この場面だけでもこの映画を見る価値充分。やはり監督はツボを押さえている、、回りの観客が全員立ち上がるかと思うような圧巻なシーンでした。やはり映画は映画館で見ないといかん、、印象も断然良いし映画館で見た映画は☆の数も間違いなく一個は増える。
 
これは最新のフランキー・ヴァリ、80歳になりました。先日7月4日、ワシントンで開かれたコンサートの模様だそうですが。こうやって若い観客に囲まれて何時までも元気にステージに立っていて欲しい、、、。
 
イタリア系の歌手としては御大のフランク・シナトラを始め、トニー・ベネットポール・アンカといるがこのフランキー・ヴァリも同世代、忘れられない歌手の一人だ。
 
 
 
 
 
 
 
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
にほん映画村」に参加しています:もし気が向いたらクリックお願いします♪。