”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”チェンジリング”(08年)

これは08年に公開されたクリント・イーストウッドが監督に徹した秀作だった。同じ時期、まさにこっちは9月に公開されて”グラントリノ”は12月公開と言う離れ業をやってのけている、しかもあっちは主演も演じて双方とも限りなく名作に近い秀作を世に送り出したのだ。

イメージ 1下記の色付き部分は公開直後に映画館へ駆け付けた時の記事で書いたのは09年2月だった、それからもう10年が経過しているのだ。

今回はマジ手抜き、、その時の感想をそっくりそのまま転載して来た、、。

アンジーで始まってアンジョリーナで終わった映画とでも言おうか、、時は1928年のロスアンジェルスパサデナ行きの路面電車が走りまだ高速道路網も整備される以前の話である。詳細には触れないが監督、制作はクリント・イーストウッド氏、現在監督作品2本がロードショー中で今更だが一昨日の”グラントリノ”と肩を並べる会心の出来であった。

9歳の男の子の母親役にアンジョリーナが打ち込んだ渾身の演技、決してMrs.ブラピの美形女優ではないと認識させられた。それにしてもイーストウッド監督には脱帽、彼の遅咲き映画人生にバンザイ!

今回も家族揃って出演中、しかも彼が作曲も担当でこれが又、”グラン~”同様印象深くてとっても良い。おっさんは10点満点だとしたら一昨日同様9点、足りない1点はクリスティーン・コリンズの両親なりウォルターの父親なりの説明がワンフレーズでも良いので欲しかった。背景は”LAコンフィデンシャル”の時代設定が50年代なのでそれより20数年遡るのだが事実と照らし合わせてLAPDの怠慢さはその頃に培われた20数年経過しても直らなかったようだ。

ラストに近くアンジョリーナが仕事仲間とどの作品が今夜オスカーを取るか2ドルを賭けるシーンがある、最後は”クレオパトラ”と”或る夜の出来事”の一騎打ちになるのだが彼女が賭けたのはクラーク・ゲイブル主演の”或る夜~”の方で見事掛け金をせしめるのだが、、、今月22日にはアンジョリーナがその栄光を、そして男優賞にはブラッド・ピット、、、なんてそれじゃ映画か。でも内心可能性大だと思(願)っている。それ程映画としても彼女の演技力を見るだけでも間違いなく後世に残る秀作だ。

エンドロール直前の2分間、クリスティーが建物から出て雑踏の中に消え行くシーン(姿が判別出来なくなるまでに1分経過)、カメラはバンして地上面から上へ移動、ロスの町並みを背景にCG,合成、大量のエキストラをふんだんに使った名シーンだ。その後の彼女の人生、或いはここに至る5年間の想いを象徴するようなTVドラマなら一本撮れてしまうようなラスト、、”チャイナタウン”のラストを彷彿とさせるものでカンヌ映画祭上映時には編集が間に合わなかったシーンである。

これでたて続けにヘビー級の秀作を見た訳だがもう当分DVDではヘナちょこ映画は見たくない、、昨年夏に”ダークナイト”を見た時は一ヶ月も余韻があって他に何も見る気がしなかったもんな~。

10年も経過しているんだから今回この映画を再見して又、違った印象を持つだろうと思ったのだがナンだよ、全然手を加える箇所がない。って事はこの10年、オレは全然進歩がないって事なのか?それとも10年前の柔軟なアタマをキープしてるのか??どっちだろう?

映画の完成度☆☆☆☆
手抜き度☆☆☆