久し振りにフランス映画、”サムライ”(67年)を、、これは再三放映されているが主演がアラン・ドロン、先の”レッド・サン”ではニヤけた極悪人でアメリカの西部が舞台だったがやはりアラン・ドロンにはパリの街の方が良く似合う。
メルヴィル監督が撮った秀作だが孤独な殺し屋、ジェフを演じたのがドロン、このスチールからはもう”女性美”を感じるのだが、、。
フランス語の原題タイトルが”Le Samourai"、鳥かごの小鳥と裏寂れたアパルトマンに暮らすジェフ、依頼を受けてナイトクラブのオーナーを殺すのだが逃げる時にクラブの歌手、ヴァレリーに顔を見られてしまう。
容疑者として警察から狙われるのだが次の殺しの依頼が何とその顔を見たヴァレリーだ、、武士道の生き様を現代フランスに住む孤独な殺し屋にダブらせてフランス人監督が描くところの”侍”像、これはアメリカ人監督が描く”侍”とは全く違っている。そんな静かで無口、人間関係を築くのが不器用な人物をアラン・ドロンが見事に演じている。
それからやはりジェフ同様に無口で孤独な殺し屋としてニューヨークに住む”レオン”を挙げない訳にはいかないだろう。奇しくも両人ともフランス人だが此方の映画は94年制作だ。監督はルック・ベンソン、恐らく先の”サムライ”は何回も見てその人物像はダブらせていると思う。
此方のレオンを演じたのはジャン・レノだがドロンとは違い男臭さ全開、、しかし孤独な性格は同じでレオンは観葉植物と暮らしている。無類のミルク好きでそのミルクを買いに行くように頼んだのが運の尽きで幼いマチルダを引き取るハメになる、、。
アメリカが舞台、しかも相手が一筋縄では行かない警察当局なのでお話はもっと複雑だが此方も孤独な殺し屋を描いた秀作だ。
インターネットのサイトには彼等以外にも沢山の”ベスト殺し屋”が網羅されかつランキングがなされている。”パルプ・フィクション”(94年)の二人、ジョン・トラボルタとサミエル・ジャクソンや”キル・ビル”のブライド役、ユマ・サーマンなどなど、、でもおっさん世代としてはやはり最後にはこの”殺し屋”をランクインさせない訳には行かない。
映画は”ジャッカルの日”(71年)、フレッド・ジンネマン監督のまさに名作と信じて疑わない作品だ。主演の殺し屋、ジャッカルを演じたのがイギリス人俳優のエドワード・フォックス、フレデリック・フォーサイスが原作を書き前年に出版されているのだがこの映画は見事に原作を超えた出来と言ってもよいだろう。
何せターゲットからして先の二本とは大分違うし、、シャルル・ドゴール大統領暗殺を描いたドキュメンタリータッチ満載の息もつかせぬ映画である。この暗号名”ジャッカル”遂に最後まで正体が明かされる事なく無縁墓地へ葬られるのがそのラストシーン、、。
そして彼が特注で作らせる狙撃用のライフル銃がこれ、完成したライフルの照準を微調整するのに人間のアタマくらいあるスイカを実際に狙撃する距離に吊るし、試し撃ちをするのだがこの場面が実にリアルで強烈なインパクトがある。
あれっ”サムライ”の感想録だったのが何時の間にか歴代の殺し屋三傑になっているし映画も”ジャッカルの日”になってしまった。やはりその稼業のなせる技か、、この3人には最後、非業の死が待っていた。
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