今年NHKで制作されたドラマである。勿論そのタイトルからしてチャンドラーの”The Long Goodbye"を原作としていて主人公はフィリップ・マーロウ、そうなったらミステリーファンならずとも見ない訳にはいかんだろう。4~5月にかけ全5話として放映されたそうだがその時の評判は一体どんなだったのやら、、記事を読むと ????、、、、だったらしいが4ヶ月遅れでやっと見ることが出来た。
とは世の中巧く行かないぜ。時代設定は戦後やっと混乱期を脱するかの頃で街頭テレビが始めてお目見えした頃だ。さすがNHKさん、時代考証も細かいし大掛かりなセットで昭和初期を再現している。だけどもう”三丁目”でもっと精巧なCGが使われているし構想は良いのだがナンかやっつけ仕事風だ。チャンドラーの原作に忠実に配役や背景は上手く置き換えているのだがいかんせん、、全ての繋がりがモタモタだ、、。ハード・ボイルドな雰囲気をタバコの煙で誤魔化しているんじゃないのかい?と思わず突っ込みたくなるほどにどの場面でもみーんながタバコを吸っている。主演を演じた浅野忠信も最初っから最後までタバコを手放さないし紫煙の影ですっかり本人まで影が薄くなっている。ニュースのキャスターがちょっと解説中に読み間違ったりすると局の電話は鳴り止まない、、とか聞いた事があるがこりゃ絶対に視聴者から抗議の電話がひっきりなしだったと確信している。そりゃあの時代、みんながみんな吸っていたと開き直るもの良いだろうがもう途中から画面からタバコ臭さが漂ってくるようではっきり言ってその内容に溶け込む事も集中も出来なかった。
これが主役のフィリップ・マーロウの向こうを張った孤空の私立探偵、増沢盤二、、ばんじだと、、バンジージャンプでもあるまいし、。
制作はNHKエンタープライズなのだがもし彼等が豊富な予算でこのテレビ化が成功したと思っているならこっちの方からNHKには”ロング・グッドバイ”だ。WOWOWとか他の民放ではもっと良質なドラマが沢山制作されているのに誠に残念至極、。
音楽を担当された大友氏のこの時代にマッチした旋律はとても良かった、、、最後の5話がまだ未見だ、、さてどうするか??でも課金されているので見ないと丸損かな??誰かに進呈するにしても”こんなのがお好きで買ったんですか?”と思われるのが嫌だし、何処かに仕舞い込んでおこうかな?でもNHKさん、お金を返してくれるなら当方が送料負担して送りますが、、、、。
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