原題は”マンモス”、、そう象さんのマンモス、、タイトルの由来は成功したゲーム創設者が契約書などのサインに使う高級ペン、その握りに凍結マンモスの象牙が使われていると言うところから来ている。そのまんま”マンモス”と邦題にしてもこれじゃナンだか判らないだろう、っで結局”世界最大のSNS、、”となっているらしい。しかし残念ながら日本では11年になってやっとDVDでの公開、発売だったらしい。でも待てよ、”SNS”ってのはソーシャル・ネットワーキング・サービスって事じゃないのかい??ネット上でのゲームを創設したのとはちょっと違うような気もするのだが、、。
監督はルーカス・ムーディソンと言うスウェーデン人、制作もスウェーデンを中心に北欧2国が束になり其処へドイツも参入、舞台はニューヨークにバンコクにフィリピンとなっている。ミッシェル・ウィリアムズが主演で好演しているしこれはなかなか見ごたえのある映画だった。
レオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)は成功したネットゲームの創設者、妻のエレン(ミシェル・ウィリアムズ)は有能な救命救助のER医師、二人の間には7歳の娘がいる。此処までは成功したニューヨークのプロフェッショナルたちで経済的には何の不自由もない雰囲気だ。レオはゲームを海外市場で売るために外国へ旅行する事も多く不在がち、エレンも完全な不規則生活の為、彼等の高級アパートにはフィリピン人のメイドさん、グロリアが住み込みで子供の面倒を見ている。そのグロリアにはフィリピンに小さな男の子が二人いて仕送りしながら何時か家族みんなでの暮らしを夢見ながら祖母に子供たちの面倒を頼っている。
レオとその海外渉外担当者は大きな取引きの為にバンコックでの調印式に出向くのだが交渉先と契約を見直す為に空いた時間を持て余す事に、、高級ではない素朴なリゾート地を求め田舎の海岸に部屋を借り2-3日滞在する事に、、一方のエレンは毎日の激務をこなし子供の面倒はすっかりグロリア任せ、その子供もすっかり懐いてグロリアが居ないと機嫌まで悪くなる始末。そんな感じで各自が抱える問題をさりげなく表現して行く。
レオは田舎の海岸に滞在するうちに繁華街で娼婦だったタイ人とすっかり打ち解けてしまう。ある日、エレンは救急で担ぎ込まれた子供を救えずすっかり自棄気味、、そんな時にグロリアの長男が通り魔に合い瀕死の重傷を、祖母から聞いたグロリアは急遽飛行場へ駆けつける為にレオとエレンのアパートを飛び出して来る。平坦な道にみえた映画がここいらから一挙に動く、、。
契約の条件を変更するにせよ、兎に角急いで契約に漕ぎ着けろと命じレオは身につけていた高級ペンや時計その他貴金属を彼女に残しバンコックへ戻っていく一方のエレンはグロリアがいなくなってしまい子供の面倒に忙しい、、母国へ帰ったグロリアは病室のベッド際で”もうママは何処へも行かないからね、、”と子供の手を握るのだが、、。さあ果たしてどうなるのか、、恐らく監督からのメッセージは”これで一件落着”だけど根本的には何も変わってないんだよ、、と言われているようだ。
エレンがレオに”又、誰か住み込みで子供や身の回りの面倒を見てくれるメイドさんを探さなきゃ”と言っているしグロリアにせよ折角子供の元に帰ってみたもののそもそもそれじゃ生活が出来なかったのでニューヨークへ出稼ぎに行っていた筈だ、、それが子供の怪我が治れば又、苦しい生活になるのじゃないか??、、レオと別れた彼女には乳児がいるのだがレオが残してくれた高級ペンや貴金属をそのヘンの価値の判らない質屋へ出すもんだからぶった叩かれ格安で引き取られてしまう、、と一見ハッピー・エンディング風なのだがその笑顔の裏側には、抜本的な変革はちっともなされていないしそれは来ないのではないだろうか?
とちょっと考えさせられる映画でした、。
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