”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”アメリカン・スナイパー”(14年)

一昨日芝を全部刈り(プロのお手伝い付き)プールもしっかり掃除、隣接するエンタメ・ルームやトイレもホースで全部水洗いキレイなもんさ、、朝から映画館へ出掛けても誰からも文句は出るまい。突発事故だけはないようにと祈る気持ちである。そこでやっとこさクリント・イーストウッド監督のオスカー候補(6部門でノミネート)になっている”噂の””アメリカン・スナイパー”へ、、。

何と10時5分前にシネコンに着くと、、

イメージ 1こんな感じで行列だ、、うわー、これに並んで5分で入場出来るかい?と心配になる。実際にはもっと年配の”映画ファン”なのだが50人くらいが並んでいて続々と後から人がやって来る。どうなってんだ?まさか爺さん婆さんが”アメリカン・スナイパー”を見に来ている訳はないよな~、、。

其処で好奇心丸出しで後ろに並んだおばちゃんに”皆さんナニをご覧になるつもりで並んでいるんでしょうね?”と聞いてみた。するとそのおばちゃん、、”アンタ、ナニも知らないの?今朝は”マリーゴールド・ホテル 2 の特別上映会なんだよ”、、、それで納得。そう言えばテレビでもCMを流してたっけ、、それが今の水曜日だったんだ、、。

しかしまあ凄い人気じゃん、、オーストラリアは断然イギリス系だしこの映画は”1”も大ヒット、連日満員の盛況だった、、”2”には今度リチャード・ギアも出るしそりゃ皆さん待ちに待った続編だから無理もないか??ワタシも一瞬こっちにするかぁ、、と気持ちがぐらついたのだが、、今日はダメだよ。

初心貫徹、でVマックス劇場の”アメリカン・スナイパー”へ、、10分以上並んでいたのでもう場内は真っ暗、まあ今朝は貸切かな?と思っていたら冗談じゃないよ、、朝から結構入っているぜ。6割がたの入場者でこれにもビックリだ、、暇なヤツが多いな~、、おっと、オレもかぁ??

イメージ 2
スナイパー映画はこれまでやはり伝説のボブ・リー・スワガー(主演にマーク・ウォールバーグ)が演じた”シューター”もあったし原作としては”極大射程”等一連のシリーズをスティーブン・ハンターが書いたベストセラー長編小説もある。アチラはヴェトナム戦線でのお話、、今度のスナイパーはやはり実在したクリス・カイルの自伝を元に制作されている。

この映画はちょっと通常のアクションドラマとは違った。一言でくくると最後まで”インテンス”の連続、しかし同様の舞台設定だったビンラデンを追う、”ゼロ・ダーク・サーティ”やアフリカが舞台の”ブラックホーク・ダウン”のインテンスさとはちょっと違う。それがナンであるのか、、今日見てきたばかりなので自分でも上手く表現が出来ない。

でも最後、、久し振りに映画館で泣かされた。そんな映画である。別にワタシはアメリカ人でもないしそんなに海軍シールズを英雄視している訳でもないのだが3回にも渡るイラク戦線出兵(志願もしている)では立派に任務を達成、帰郷し今度は一般人としての自分を失っていく過程、そして序々に人間らしい生活を取り戻していくカイル(ブラッドリー・クーパー)にいたく共鳴出来るのである。カイルはこの出兵期間が延べ1000日を超え、自宅へ戻る都度に子供の成長を目の当たりにし、今度は末娘の誕生と人生の節目と言っても良いような”重大事”が一般人としての生活では起こっている。

確かに映画はカイルの自伝とは言ってもアメリカ側から描いたものだしそれに対して”それは違う”と声高に非難する人間もいるだろう。しかし彼が優秀な腕を持ち”伝説の射撃手”と言われるのは彼によって命を救われた兵士が彼が射止めた敵以上に多くいた訳だ。そもそも戦争などなければこんなヒーローは無用なのだが紛争があり昨今のようにテロが蔓延する時代にはやはりこんな英雄がいないともっと多くの掛け替えのない命が失われる事も事実である。

勿論反戦が重要なテーマにもなっているしイーストウッド監督は巧みにカイルの人物像と家族の生活を前面に押し出す事により戦場で立たされた彼の”役目”に焦点を合わせている。敵を倒さなければ味方が殺される、、それに痛烈なメッセージが込められているような、、今夜一晩ゆっくり考えてみよう。

これでオスカー候補は殆ど見たのだが、、今年のオスカー、ひょっとして逆転があるかも知れない。カイルの苦悩する内面、そしてそれを見事に演じたブラッドリー・クーパー、、素晴らしい映画でした。制作予算額が約60億円、それに対してこれまでの興行収益がとっくに300億円を突破しているそうな、、こりゃ大ヒットです。しかも内容が実に濃い、、。



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