”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅”(13年)

原題はそのまま”Nebraska"なのだが邦題には副題として”ふたつの心をつなぐ旅”と付いている。この映画は昨年のアカデミー賞で主演を演じたブルース・ダーンが主演男優賞にノミネートされた作品、助演女優賞など6部門にもノミネートされたが残念ながら制覇はならなかった。でも年間数百本の映画が制作されその中から9本がノミネートされる訳でこの候補に挙がると言うだけでファンにとっては”一見の価値はある”と常日頃思っている。

映画の舞台はモンタナ州(カナダの国境に近い)、ビリングスと言う田舎町から遥々ネブラスカ州リンカーンと言う街まで旅するものなのだがざっと1、500キロ以上の距離がある、、普通に走って二日かかるかな?てっきりその道中、色々な人に出会い人生談義を展開するのかと思いきやちょっと趣が違った。

イメージ 1ウッディ(ブルース・ディーン)はある日幹線道路を歩いているところを警官に呼び止められ近くの警察署に拘留される。息子のデイビット(ウィル・フォート)が呼ばれそこで事情が見ている側に説明される。どうもウッディは徒歩でリンカーンを目指していたらしい。それもどうやらポッケに大切に仕舞っている紙切れが理由らしい、、その彼あてに郵送されて来た手紙の文面は”貴方は百万ドルの賞金を獲得しました!”と言うキャッチフレーズで良く読むと別に彼が大当たりした訳じゃなく”此処に記載されている番号がもし当たっていれば”と言う雑誌の定期購入を勧める宣伝文句である。ウッディは頭っから自分が賞金に当たったと信じ誰にも言わずに出掛けようとしていた訳だ。

そんなお父ちゃん、、幾ら息子のデイビットが説明しようが奥さんが留めようが本人は聞く耳を持たない、そしてやむ無く仕事を休んで父親に同行してネブラスカを目指す事にする。途中立ち寄ったウッディの生まれ故郷、、其処には兄弟やデイビットの従兄弟達もいる、そんな田舎町の酒場でデイビットには絶対言うなと言われていたにもかかわらず、思わず”オレは百万ドル当たったんだ”とやるもんだから昔の親友から親族、兄弟がナンとかそのお裾分けを頂こうとあの手この手でウィッディに迫ってくる。

オスカーにノミネートされたブルースは老け役、、まあ歳相応なのだが、、で歩くのもやっと言う感じ、でも息子のデイビットを演じたウィル・フォートがすこぶる好青年で父親を重んじる姿を見事に演じている。彼が助演男優賞にノミネートされなかったのが不思議なくらいだ、、彼の母親、ウッディの奥さんを演じたジューン・スキップが助演女優賞にノミネートされている事を思うと出番は断然多いし、彼の方が圧倒的に存在感があったように思えるのだが、、。

この展開でロード・ムービーとは言っても実際には途中寄った自身の出身地に於ける家族や昔の仲間との交流が中心で見も知らぬ他人との交流ではなかった、、。頑固一徹、そしてちょっと周りの事が理解出来ていない節のある父親、自分も2年間付き合っていた女性に逃げられ失意のどん底のデイビット、それが互を思いやる、息子が父親を想う気持ちの方が強いかな、、母親はそんな元アル中の夫を早く施設に送り込まないと自分が一緒にダメになると言い張る有様だ。

アメリカ合衆国と一言で括ってもその国土は広い、大都会から離れこうした田舎町がいたるところに点在していて多くの国民はこんな生活が普通なんだろう、、そう思ったら急にこの映画が何を語らんとしているのかが理解出来たようだ、。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
にほん映画村」に参加しています:もし気が向いたらクリックお願いします♪。