”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”U-571”(00年)

陸上の戦争映画は数多く制作されているし潜水艦を主人公にしたものは戦争映画のジャンルとは別にしても良いくらいに沢山作られている。古くはクルト・ユルゲンスロバート・ミッチャム主演で”眼下の敵”(57年)と言う古典もあったしクラーク・ゲイブルとバート・ランカスターの”深く静かに潜行せよ”(58年)も同じ頃に制作されている。これらは戦後10年も経過していないので制作側はかなり相手国に配慮していた節もあるし”アメリカ強し”の一辺倒なプロパガンダ的アクション映画と呼べるものではなかった、じっくりと狭い艦内で対立する艦長、副官二人、或いは敵の艦長との知恵比べみたいな設定がお決まりだった。

昨晩見たこの”U-571"絶対に以前見ているのだがとうとう最後まで見ても展開が読めず初めて見た気分で終えてしまった。主演はマッシュー・マコナヘイとビル・パクストン、それに渋くハービー・カイテルが機関士長を演じている。

イメージ 1時代設定は1941年、ドイツの新鋭潜水艦Uボート、U-571がイギリスの駆逐艦攻撃にあって航海中に損傷を受け洋上で動けなくなっている。本国へ救援要請をするのだがそれを傍受したアメリカ側は自国の潜水艦Sー33をUボート仕様に”変装”し救助に来たフリをしてU-571に乗り込み連合軍が喉から手が出るほどに欲しい”エニグマ”暗号解読機を盗み出すと言う極秘任務だ。

更にはその暗号解読機が盗まれたとドイツ側に悟られないように瞬時に艦船を爆破して海底に沈めてしまうと言う命令だ。

この急な任務に着く前にアンドリュー(M.マコナヘイ)は艦長就任を願っていたのだがマイク艦長(B.パクストン)に”キミにはまだ早い”と言われむしゃくしゃしているが副官として乗り込む事に、、そしてUー571が頓挫している海上をドイツ語が堪能な部下を連れて”エニグマ”確保へ向かうのだが、、、。

この潜水艦はアメリカから派遣されて情報部も加担しているのだがこれより前の39年には先の映画、”イミテーション・ゲーム”(14年)では数学の精鋭たちがイギリスでこのエニグマを解読する為のコンピューターを作ろうとしていた、、イギリスの精鋭たちがもう少し早くコンピューターを開発していればこのU-571から苦心惨憺エニグマ本体と解析コードを盗み出す必要もなかったじゃないか、、と史実と照らし合わせ余計な事を考えてしまった。

映画は首尾よくU-571に近づいたマイク艦長やアンドリューたち、敵を欺き、救援に駆けつけたフリをして艦内を制圧、自分たちが乗ってきたS-33へ捕虜として全員を連れ帰るのだが後方から現れたのがやっと救援に駆けつけたホンモノのUボート、S-33はあっけなく魚雷一発でドイツ軍の仲間諸共撃沈されてしまう。マイク艦長はその時戦死、帰る艦船がなくなり取り残されたアンドリューと少ない部下達はやむを得ず壊れて頓挫しているU-571へ乗り込む事にする。

そんな具合で狭い空間が舞台の中心、これは脚本家の腕の見せ所か、、派手なドンパチに終始する訳でもないが瞬時に対応を考え対応を迫られるアンドリュー、、。実はマイク艦長に”キミはまだ艦長になるには早い”と言われた時に”瞬時に判断する力が乏しい”と言われていたのだ。その今は亡き艦長の言葉を思い出しながら苦悩しながら対応を考えて行く姿をまだ若い、マッシュー君が好演している。

ショーン・コネリーがロシアの最新鋭潜水艦、ラミレス艦長に扮する”レッド・オクトーバーを追え”(90年)はどちらかと言うとジャック・ライアン(アレック・ボールドウィン)が主演っぽかったがこれもすこぶる良く出来た潜水艦劇だったしデンゼル・ワシントンと艦長のジーン・ハックマンが対立する潜水艦は”クリムゾンタイド”(95年)、こうして見ると演技力で二人の男優がぶつかるには潜水艦と言う舞台は最適な設定ではなかろうか、、。



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