原題は”Kー19:The Widowmaker"と副題に”後家さん作り”と不名誉なタイトルだが邦題には副題はつかずそのまま”Kー19”となっている。良く”Kー9”と言われるがあっちは本来は”Canine"、、で意味は”イヌ科の動物”と言う事だ、、読みはそのままで頭を”K”に入れ替えて”KーNine、、Nineを数字に置き換えて”Kー9”、即ち警察犬とか軍隊で活躍する”ワン子部隊”を意味する言葉になっているので”1”が付くだけで原子潜水艦とはだいぶ違うのだ。
過去に制作された潜水艦ドラマの名作は沢山ある。ちょっと思いつくだけでも、、;
”眼下の敵”(57年)ー 監督はディック・パウウェル、ロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンスが主演で故障した眼下のドイツ軍のUーボート対アメリカの駆逐艦艦長の対決だ。これはもう緊張感が堪らない名作と言っても良いだろう。
”深く静かに潜行せよ”(58年) ー ロバート・ワイズ監督の傑作、バート・ランカスターとクラーク・ゲイブルが対立するこれも名作だ。そりゃ確かに今見れば艦内の設定やCGはチャッちいがそんな事を思いつく間もないまさに究極の密室劇になっている。
”Uーボート”(81年)ー 原題”Das Boot"として制作されたウルフガング・ピーターセン監督のこれも外せない潜水艦映画だ。
”レッド・オクトーバーを追え”(90年) - ジョン・マクティアナン監督、主演のラミウス艦長にショーン・コネリー、、ロシアの最新式”ステルス潜水艦”と一緒にアメリカへ亡命しようと言う大胆な映画で元ネタになっているのはCIA所属のジャック・ライアン博士、一連のシリーズものだがこの映画ではアレック・ボールドウィンが演じていた。
その他に”クリムゾン・タイド”(95年)、”U-571”(00年)などなどがあるのだが今日見た”K-19”はランキングとしては辛うじてベストテン入りって感じではないだろうか?主役はハリソン・フォードにリーアム・ニーソン、、。
米ソ冷戦下、ソ連の原子力潜水艦K-19は航行実験において、突然原子炉の冷却装置に故障をきたした。原子炉のメルトダウンも考えられた危機的状況に対して立ち向かう艦長(フォード)と放射能の危険と隣り合わせで修理に奮闘する搭乗員の活躍を描く。と言うお話で監督はキャスリン・ビグローである。女性監督が男だけの映画のメガフォンを撮った訳だが主演二人の”キャプテン”を描いた秀作に仕上がっている。
とても女性監督が描いた世界とは思えないのだが狭い潜水艦内でぶつかる二人の男の任務に対する責任感、そして祖国へ帰れるか、若い乗組員を束ねて結束する、、そして原子力のリアクターを修理できるのか?メルドダウンを起こして自爆か或いはアメリカと一戦交えるのか、誰が救出してくれるのか、、と最後まで気が抜けない一作でした。
”レッド・オクトーバーを追え”のショーン・コネリーも確かにロシア人艦長だったのだがあっちは余り違和感がなかった、、でも此方はアメリカ人とアイルランド人二人が揃ってロシア人を演じると言うのはチョイと刺激が強すぎたかも知れない、、。
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