”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”白いカラス”(03年)

この映画、原題は”The Human Stain"と言う、文字通り”人間のシミ”なのだがそれが何で”白いカラス”に、、、こりゃちゃんと検証してみないと配給元の担当者の感性が判らない、、っで早速。何せ主役はアンソニー・ホプキンズ、それに絶頂期に近いニコール・キッドマン、更にはエド・ハリスゲイリー・シニーズと一癖も二癖もある配役陣、そりゃ益々見たくなる。しかし情けない事にこれまでこの映画の存在さえ知らなかった、、、。

イメージ 1時代は90年代後半、舞台はマサチューセッツ州の大学校内、、初老の教授で学部長も務めるコールマン(A.ホプキンズ)は講演のなかで”スプーク”と言う単語を出席している筈の生徒に使ってしまう。まさに彼の言わんとした事は”スプーク”(幽霊のようにその存在が不明)だったのだがたまたまその不在の生徒がアフリカ系、アメリカ人だった事から”人種差別”だ、、(黒人を指すスラング)と抗議されアタマに来た教授は大学を辞めてしまう。

そんな思いがけない展開に長年連れ添っていた奥さんはビックリ仰天、敢え無く彼の腕の中で発作を起こして亡くなってしまう。

そして数ヶ月、、コールマンは作家のネイサン(G.シニーズ)と知り合い自分のやるせない心の憤まんをぶつけたい思いで伝記の出版を依頼する、、。同じ頃、閉店した郵便局で無理やり切手を買うべくドアを開けさせた店番の若い女性がフォーニア(N.キッドマン)で二人は急速にお友達に、、なって行く。

こうなって来るとこりゃ日本にも良くありそうなお話で展開も読めてくる、、。愛欲に狂った初老の爺さん、、親子ほども年が離れ最近妻を亡くしたばかり、仕事場からも放り出された挙句行くあてもない始末、、。若い彼女は彼女で曰くありげ、、案の定、元亭主(E.ハリス)からは虐待を受けていて幼い子供二人を火災事故で亡くしている、、元の亭主は子供を死なせたのはお前のせいだとばかり執拗に迫ってくるし此方も何処へと逃げる場所もない、、、。

日本ではこうなると行く先は富士山の樹海か北海道の摩周湖か、、と自ずと見えてくるもんだが流石にアメリカ映画はそうは行かない。其処から一挙にコールマンがまだ大学へ進学するかどうか、、って時代までフラッシュバックして行く、、。

コールマンは両親と兄と妹と5人家族、、学生時代からボクシングに入れ込んでおりかなり有望株だ、、11戦戦って無敗、何れはプロの選手にでも、と本人は思っているのだが父親に”不敗神話に留めておけよ”と言われどうもプロになる事には消極的だ。そんな過去が綴られ裕福なガール・フレンドとの出会い、、そして別れが淡々と続く、。傷心のコールマンは軍隊に応募、街の登録所へ勝手に出掛け応募、合格してしまうのだ、。

っと此処まで見てもどうにも”白いカラス”が出て来ない、、、さては見逃したのか??時間は既にどんどん経過して半分を優に超えている、、さあカラスは何処に、、。そしたらやっと出て来た、フォーニアがある”博物館”みたいなところへ出向くと係りの女性が”あら、お久し振りね、、3-4ヶ月見かけなかったじゃない?”と問いかけるのだがカメラが引くとそこにはオリに入った”真っ黒なカラス”が、、、別に愛嬌がある訳じゃないのだが、、ええっ、でもコイツは黒いカラスじゃん??

流石にこの主演の二人は素晴らしい、ちょっとミスキャストじゃないのか、と思ったがやはり確実な演技、ニコール・キッドマンもすっかり見直しちまった。ミステリアスで過去を引きずったアラサー女性、元の夫から逃げ自活する為に一人で3箇所も掛け持ちで働き自分のオヤジほども年長のおっさんと恋に落ちる、、果たしてこれは恋なのか、、それとも。出会って最初に”私に同情を求めないで、、”と釘を刺したのだがそれがずっと生きている、、第一彼女の方だって子供二人を亡くしているのだから、。確かに重苦しいテーマだしその重さが後半もっとのしかかって来てどうにもやるせない気持ちになってしまうのであります、、、。

でこの場に及んでもおっさんの理解度は超えている、、ナンで”白いカラス”なんだよ~、。そして映画はクライマックス君に向かって真っしぐら、、そしてその途中、この邦題に意味が突然理解(?)出来るのでありました、、、こんな事を書かれるとどうしても見たくなるでしょ???

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