巨匠ジョン・フォード監督の西部劇の名作、主演はジョン・ウェイン、、ジェームス・スチュワート(タイトルロールでは彼が主演扱い)そして極悪人をリー・マービンが演じている。華を添えるのは若きヴェラ・マイルズ、制作されたのは62年、モノクロ映画である。
映画の出だしはやっと西部に開通した列車に乗って上院議員のランス(J.スチュワート)と奥さんのハリー(V.マイルズ)が友人、トムの葬式に参列する為にシンボーンと言う西部開拓時代の土地へやって来る。時代設定は表示されないが蒸気機関車が開通し街には電気もある様子なので”西部幕末”の頃ではないだろうか??
上院議員がこの小さな街へやって来る、、こりゃもう街の一大事、ローカルの新聞社社主と記者が迎えに出てインタビューを申し込む、そして一介のローカルカウボーイだったトム(J.ウェイン)の葬儀に遥々首都ワシントンからやって来た理由を尋ねる事に、、。そしてお話は25年昔にフラッシュバックして行くというもので上院議員とその奥さんハリーの過去が語られていく、。
西部劇のクライマックスとしてはやはり拳銃での決闘シーン、、これが一番のハイライトになるのだがこの映画ではその肝心のクライマックスシーンが最後ではなくそのだいぶ手前に来ている。これは黒澤監督の手法に見られるように(”羅生門”)夫々見る立場が違うと視点が違うと言う事で実際に起きたシーンを別の角度から検証し、”何故”そうなったのかを解説してくれる。
謎解きとは言わないがこうしてランスが語る物語、、それがほぼ映画とリアルタイムでこのシンボーンと言う西部の街へ馬車で辿り着いた状況、、そして乗客が辻強盗に遭遇してしまい彼は女性の乗客を守ろうとして瀕死の重傷を負ってしまう経緯が語られる、、。
この映画はワタシの方もリアルタイムで東京は日比谷の映画館で見た記憶があるのだがモノクロだったんだ、、てっきりカラー画面だと思っていたのだが違っていた、それだけ画像の色に惑わされずにモノクロ画面でも遜色なかったと言う事か。西部劇は日本の時代劇と同じでアメリカでしか作れない、、そりゃマカロニもスパゲッティもありますが、、、アメリカの良心に訴える、そして当時の歴史を振り返るにはこれ以上の題材はないだろう。
リー・マービンの極悪人振りはとても印象深いのだがこの映画、他にはウッディ・ストロード、そして後年今度はクリント・イーストウッドの宿敵役になるリー・バン・クリーフも出ている(この頃からワル顔だった?)そしてジョン・キャラダイン(デイビット、キース、ロバートの3兄弟の父親)やエドモンド・オブライアンなどの芸達者も出演していた、、こんな映画がアメリカの原点として何年が経過しても素晴らしい作品として映画ファンに鑑賞され続け保存される秀作なんだろう、、、。
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