昔、著名な女流評論家が”良いかダメかを判断するには最初の15分を飛ばしなさい、、”と言われていたような、、最後まで見て見逃した箇所を見たくなったらそれは”オモシロイ”映画ですよ、、とか。そんな映画に出会った日曜日でした。
原題が”Cellular"、、当時の言葉としては”移動可能電話システム”の事なんだが当時は未だ市民権を得るちょっと手前で邦題はそのまま安直に”セルラー”と言う全く思考回路に欠けるタイトルになってしまった。制作されたのが04年でかなり的確に当時の携帯電話事情が反映されている。今や映画では”携帯電話”は立派な主役に昇格しているが12年前は流石にアンテナを引っ張り出す形状ではないがちょいと電波が弱けりゃ混線するしもろガラゲーの世界、ビデオ録画の機能はあったがまだ画像送信は出来なかったし本体に付いているのは押しボタンだ。
最初の15分を見逃しているのだが見始めたのはジェシカ(キム・ベイシンガー)がどこぞへ拉致されている場面。部屋にあった受話器を手にして外部へ助けを求めるのだが、、。藪から棒にその電話を自分の携帯で受けてしまったのがライアン(クリス・エヴァンズ)、この手法は”フォンブース”的展開だ、、案の定、監督が同じ人でデイビッド・エリスだった。
”自宅にいたら突然5人の男が襲ってきて無理やり拉致され全然知らない場所に監禁されいるの、、どうか私を助けて、、”と携帯に答えたライアンに泣きついて来る。
ライアンは”うっそ~、、””冗談はやめてくれ””これは新手の販促?”と聞き返すのだがジェシカの声は切羽詰ったホンモノ、誘拐犯が隔離された二階裏の部屋へ上がってくるので慌てて受話器を隠すのだが犯人に何かを要求され、殺すぞ、、と言われている会話は全部ライアンに筒抜けだ。
大慌てて近くの警察へ行き受付に座っていたボブ巡査部長(ウィリアム・メイシー)に電話を渡し処理してくれ~、、と頼むのだが丁度その時、署の入口で騒動が起きボブは上の階に刑事がいるから彼らに相談してくれ、、、と言い残して騒動鎮圧に向かってしまう。困ったライアン、、でも刑事部屋には誰もいないし相談も出来ない、でも電話の向こうではジェシカが乱暴を振るわれ何かを白状するように強制されている。そしてジェシカを殴りつけている犯人がアップになってやっと判ったのだがジェイソン・ストラッサムだった、。
もうこの時点では30分をとっくに超えてこっちもドップリ浸かってしまった。最初の15分は何れ機会を改めて見る事にして、。キム・ベイシンガーは久し振り、もうちょっと前までは妖艶でまさに何をやっても情婦役が一番似合った女優さんだがこの映画ではちゃんとした人妻、、でも何となく妖しいんだな、、ライアンは無論声だけを頼りに彼女の力になり右往左往、まさに孤軍奮闘大活躍で真相に迫って行くのだが、、。
最初、署の受付にいたボブ巡査部長、勤務を終え帰宅しようとすると手にさっきライアンから電話を渡された際に取ったメモが、そこにはジェシカの名前と住所が書かれている。どうも気になってしょうがないのでパトカーで住所を検索してジェシカが拉致されたと主張している邸宅へ出向いて見ることに、。ドアベルに応答して女性が出て来る、”アナタがジェシカ?、、今朝拉致されましたか??”と尋ねるが”イヤね、ワタシが本人よ、、”っで”スイマセン”と引き上げるのだが、待てよ何か怪しいぞと長年の経験がボブ巡査部長に訴えてくる。
そこから一転、拉致した”犯人たち”は6名でジェシカの家にいたのも仲間、そして彼らが何を狙っているのかが徐々に判っていくと言う展開、、、結局最後まで手に大汗をかくまではいかなかったがテレビ観戦には十二分の映画でありました。
しかし邦題がなぁ~、、、”セルラー”と言われて見る気になりますかぁ??原題は”Cellular”としてももうちょっとアタマを捻ろうよ、。
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