”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”第一容疑者 姿なき犯人”(03年)

原題は”Prime Suspect 6:Last Witness"シリーズ6で”最後から二番目”のシリーズになる。ヘレン・ミレンはこの91年から続いたこのシリーズ全7作品で主演を演じエミー賞も受賞している。

邦題が実に刺激的じゃないか、、もし”プライム・サスペクト:ラスト・ウィットネス”だったら絶対に見てやらない!それが”第一容疑者/姿なき殺人者”とくりゃミステリーファンならずとも堪えられません、、興味は一気に天空へ、。

何でもこのテニソン警部シリーズ、後年、メリル・ストリープが是非にアメリカで映画化をと立候補したらしいがその企画はボツに、、、でも11年にはマリア・ベロを主役に迎え、テレビでシリーズ化されている、、残念な事に最初のクール、13話で制作打ち切りに。やはりイギリスの警察を舞台に構想を練って作られた企画をアメリカに持って来るって事には無理があったのか??

イメージ 1このシリーズ6は前後編になっていて合計3時間を越す大作、もうこれは殆んど劇場用映画と言ってもおかしくない。

ジェーン・テニソン主任警視(ヘレン・ミレン)はこのシリーズでは55歳の設定、幕開けは彼女の上司になっているマーク・ストロング(以前のシリーズでは下っ端で彼女が上司)に健康状態を聞かれている。どうも早期退職を視野に入れた聞き取り調査らしい、。

無論、テニソンは冗談じゃないわよとばかり断固としてそんな勧告は受け入れず新たな捜査に従事したいと伝える。そしてある日、ロンドンの街中でサルビアからやって来た若い移民の女性が殺されているのが発見される、。

そんな展開で始まるのだが捜査は一転二転、さらには捜査当局からの捜査幕引き勧告などもありテニソン主任警視は単なる殺人捜査だけではなく上層部とのやり取りに大きく時間を取られてしまう。

イメージ 2

このスチールは次の最終章シリーズ7での配役らしいのだが今回も唯一の女性警視として署内の男性上層部連から疎まれ、同僚からも疎外感を感じながらの捜査、命令を下してもなかなか思い通りに進まない、、かなり実際の状況に近いのではないだろうか。ウィキを覗いたらそのリアルな内容から実際にロンドン警視庁の新人研修にもこのドラマが使われた事があるそうな、、。

このシリーズのお決まりなのだがそのタイトル通り”Prime Suspect"(重要参考人)が何時も早い時点で出て来る。今回も必死の捜査からサルビアから移民としてやって来た人達が捜査線上に浮かび上がる。更にサルビア国内では戦時中、大量殺人疑惑があった事も判ってくる。どうも今回の殺人事件も何処かで繋がっているような、。

そんな展開で前後半、一週間待つことになったが1時間半ずつ2回に分けてCMを飛ばして見終わった。まあロンドンで生活した事もないしリアルだとは思っても実際の警察の捜査がどんなもんか、、知る由もない。でもこれは明らかにアメリカの捜査とは違う気がする。恐らくアメリカ版だと”バキューン”、”ドカーン”の連続だろうし取調室での尋問だってこんなテニソン警部が犯人からの自白を得る為に仕掛ける”言葉の罠”、、(即ち脚本だと思うのだが)はないだろう。体力では負ける女性警視なんだがこの尋問の切れ味、即ちアタマの回転の良さがこのシリーズの見所でもある。

アメリカの刑事さんなら恐らく、”この○○野郎、てめーがやったんじゃねーのか?”とかスラングの連発、、それに対する容疑者だって”○○○○ You,”の連発に究極はこっちを認めりゃ司法取引するぜ、、なんて手段も出て来る。とても素直に”アンタがやったんでしょう、白状しなさいよ”何て穏やかなセリフはないような、。

イギリスのテニソン警視はあくまでも冷静沈着、相手の言葉の矛盾を突いてくる。”昨日はこう言ったじゃない”とか”ネクタイの柄は縞模様って言わなかった?”と容疑者が思わず口を滑らしヤバっ、、と焦るケースが多い。同席する弁護士もこれにやられちまう、、、ケースバイケースで強引な手法から自供を引き出す事もあるが最後は何時の間にか”ゴメンナサイ”、”ハイ、私が殺りました”と自供してしまう。

このジェーン・テニソン主任警視を演じたヘレン・ミレンの勇姿も残るはあと一本で終了だ、、ちょっと寂しいな、、、。


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